今回も慢性痛の話になります。前回は急性痛と慢性痛の違い・画像の異常が必ず原因ではないという内容でした。ここからは慢性痛について話を進めていきます。
慢性痛は原因が不明瞭でわからないといった特徴があります。これは直接の原因がわからないことになります。正確にいうと最初のきっかけになるエピソードがある場合がほとんどになります。
例をあげると「荷物を持ち上げた瞬間に腰に痛みが出て、いわゆるギックリ腰だった」これが痛めた直後から2週間くらいまでなら急性痛になります。順調に治っていけばそれほど問題になりません。
しかし、痛みが治るまでに時間がかかってしまうと腰が痛いことによって起こるストレスが加わってきます。動くと痛みを感じるのでイライラする。この事によって、仕事や勉強などに集中できない。その結果、人にきつくあたってしまい対人関係がうまくいかずにストレスになる。というような感じで最初のきっかけにいろいろなストレスが重なっていくことで痛みの根源が分からなくなる点とこの複雑な絡み合いがどの瞬間に痛みになって現れるのかもわかりません。
このようなことか慢性痛の原因を突き止めることを不可能にします。
それでは慢性痛は改善できないのかといえば、そんなことはありません。
実際に肩こりが無くなった人・腰痛がなくなった人もいます。まわりにもいるのではないでしょうか。
痛みの改善方法の視点を変えて施術をおこないます。
一般的には痛みの原因を探し出して、そこにアプローチをおこない体にとってベストな働きをする状態に戻していきます。
しかし、慢性痛では原因がわからないので、痛みのある慢性痛の相と痛みを感じない通常の相に分けます。
痛み出たり消えたりのするのはこの相を行き来しているからです。施術をすることで痛くない通常の相にとどまることができた時に一般的にいわれる治ったといえる状態になります。
これは痛いと反応してしまう脳の記憶の上に痛くないよという記憶を上書きしていくイメージになります。