前回は肩で起こりやすい疾患についていくつか紹介をしました。
今回は五十肩について話を進めていきます。
肩の痛みといったら五十肩になったといえば、話が成立してしまうほど名前が浸透しています。
しかし、痛みの他にどのような症状があるのかは、あまり知られていないようなので、
五十肩の知識を整理していきましょう。
五十肩は医学的な呼び方ではありません。
五十肩と呼ばれるのはこの年代の人達に多い症状だからです。
四十肩と呼ぶこともあります。
医学的には肩関節周囲炎といいます。
原因は肩関節を構成する骨・軟骨・靭帯・腱など年齢による組織の変性で起こると考えられています。
しかし、このパターンに必ず当てはまるわけではないので正確には解明できていません。
メインの症状は痛みと運動制限になります。
症状が落ち着くまでを3つの期間に分けることができます。
□急性期 痛みが発症してから2週間までは急性期。この期間の主な症状は安静時痛・運動時痛・夜間痛・可動域制限になります。
□慢性期 急性期より痛みは減ってきているが消失はしていない。肩の可動域はせまいままで日常生活に不便を感じる状態。
□回復期 痛みはほとんど感じなくなり、徐々に関節可動域が広がってくる。
このような期間を経て症状が改善していきます。
症状が改善するのに数ヶ月から数年かかる人が多く、痛みが消失したとしても可動域制限が残ってしまう人もいます。
施術方法は急性期・慢性期・回復期で対応の仕方が変わります。
□急性期 痛みを抑えることがメインになる期間になります。痛みを感じにくいポジションを探したり、物理学療法などおこなう。
□慢性期 腕を動かしていく時の痛みの原因がどこにあるのかを把握しながら、問題を解決していきます。筋肉の硬さや筋力低下など改善していきます。
□回復期 基本的に慢性期とおこなう内容は変わりません。肩の状態に合わせてやることは変化していきます。
予後は悪くないといわれていますが、拘縮を残さないようにするためには可動域訓練をしっかりとおこなう必要があると考えています。