神経が圧迫して痛みやしびれなどが出ていると聞くと多くの人がイメージする場所は首や腰になると思います。
メディアなどでもよく紹介しているのを見かけるので不思議ではありません。
しかし、神経は全身に通っているので首や腰以外に同じような症状がでることもあります。
今回は足に症状がある時に腰の神経以外が原因になっているもの紹介していきます。
ここで紹介するのは足根管症候群です。
急に聞きなれない言葉が出てきたかもしれません。
これは足首の内側を通っている後脛骨神経を圧迫して症状が出ます。
足首の内側に足根管という骨と靭帯(屈筋支帯)で囲まれたトンネルがあります。
この中を後脛骨神経や血管、腱(後脛骨筋腱、長趾屈筋腱、長母趾屈筋腱など)が通っています。
後脛骨神経は、足底やかかとの感覚、足の内在筋(足底の小さな筋肉)の運動機能の役割をしています。
原因は
□外傷や捻挫 足首の捻挫や骨折により、足根管周辺の組織が腫れたり瘢痕化したりすることがあります。
□扁平足や過剰回内 足のアーチが低下すると、足根管に機械的なストレスがかかり、神経を圧迫します。
□腫瘤や占拠性病変 ガングリオン、脂肪腫、静脈瘤、腱鞘炎など、足根管内にスペースを占める異常組織が神経を圧迫します。
□全身性疾患 糖尿病や関節リウマチ、甲状腺機能低下症など、神経や周辺組織に影響を与える疾患が原因となる場合があります。
靴や活動による圧迫:不適切な靴や長時間の立ち仕事、ランニングなどの反復的なストレスも関与します。
妊娠やむくみ:体液量の増加により、足根管内の圧力が高まることがあります。
症状は
□痛み 足首の内側・かかと・足底に焼けるような痛みやピリピリした感覚が現れる。痛みは夜間や安静時に悪化することがある。
□感覚異常 しびれ・チクチク感・感覚の鈍さが足底やつま先に広がります。
□筋力低下 重症の場合、足の内在筋が弱り、つま先立ちが難しくなることがあります。
□症状の悪化要因 長時間の歩行や立ち仕事、特定の姿勢で症状が強まることが多い。
治療は後脛骨神経の圧迫を解除しながら、症状の軽減を狙っていきます。