気が付いたら肩が痛くなっていて、腕を上げることができなくなってしまった。これといった原因は見当たらないと相談される人がいます。転んだり・ぶつけたりというような記憶に残りやすことならば、何をした時にと言えます。しかし、毎日の何気ない動作の繰り返しで痛みが急に出てしまったときは、本人にしていみると日常の一コマなのでそれほど気に止めることではありませんが、話を聞いていると原因になりそうなことは意外とあります。
このようケースに当てはまりやすい疾患に上腕二頭筋長頭腱炎があるので、これについて話を進めていきます。
痛みを感じる場所は肩関節の前側を中心に肩周囲になります。動かさなければ痛みはないけれど、腕を上げようとするとズキッとするような痛みが出る。特徴的な日常の動作はドアノブを捻る・中身が履いている買い物袋を持ち上げる・衣服の着脱衣などがあります。
主な原因は
□加齢 年齢を重ねることで、組織が変性しやすく、炎症を起こしやすい
□不良姿勢 主に猫背で肩が内に入っていると上腕二頭筋長頭腱に負担がかかりやすくなり炎症を起こす
□関節の硬さ 肩関節に制限があるため、上腕二頭筋長頭腱に負担がかかりやすくなる
□誤ったフォーム 肩関節の動きをスムーズにしないと特定の部分に負担がかかり、そこが上腕二頭筋長頭腱だと炎症を起こす
□オーバーユース(使い過ぎ) 繰り返しの負荷を与えることで炎症を起こす。
早い回復を見込むには治療をおこなったほうがいいののですが、同時に生活をする上で気をつけるべき点もあります。上腕二頭筋長頭腱に物理的ストレスを与えて、炎症を悪化させないことは必須事項になります。特に腕を90℃以上、挙げる動作はしないようにしましょう。その上で治療をしていきます。炎症の反応が強い時は非ステロイド系抗炎症剤が処方されたりします。ストレッチなどにより筋肉に柔軟性を持たせて上腕二頭筋長頭腱に不必要な負荷が加わらないようにして患部を回復させていきます。
それでも症状に変化があらわれない時はステロイド腱鞘内注射や手術が選択されることもあります。