前回、シビレについての分類や疾患を紹介してきました。今回は腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症のシビレや違いについて解説をしていきます。
この疾患を選んだ理由としては足がシビレたり腰に痛みを感じたりすると「ヘルニア」ではと思う人が多いです。ここからはふたつの疾患の違いについて解説をしていきます。
特徴的な症状の違いは歩いていると足や腰が痛くなったり、シビレ感が強くなったりしてしまい足が前に出せなくなり歩けなくなってしまう症状が出てきます。しかし、歩けなくなるといっても腰を丸めて休んだり、座って休むと何事もなかったかのよう歩けるようになりますが、歩く→休む→歩く→休むを繰り返していきます。症状が重くなると歩く時間も短くなってきます。これを間欠性跛行といいます。
この間欠性跛行が腰部脊柱管狭窄症の症状になるので腰椎椎間板ヘルニアとの最大の違いになります。
この他の違いとしては好発する年齢が40代より若い世代になると腰椎椎間板ヘルニアの可能性が高く、高齢になるほど腰部脊柱管狭窄症の可能性が高くなります。痛みの特徴は腰を丸めると痛みが増しやすいのが腰椎椎間板ヘルニアになり、痛みが減少しやすいのが腰部脊柱管狭窄症になります。
この3つが大きな違いになります。この点を参考にして見分けていきます。
一般の方は間欠性跛行がどういったものなのか。そして、受診をするべき診療科は整形外科であること覚えていれば十分だと思います。
ただ、実際に体に感じる痛みに差はないようです。しかし、学術的に病態は全く違います。
□腰椎椎間板ヘルニアは骨と骨の間にある椎間板が本来の位置から飛び出して飛び出してしまい神経を圧迫することで症状につながる
□腰部脊柱管狭窄症 脊柱管といって骨の真ん中に空洞がありそこを脊髄が通っています。なんらかのきっかけでこの空洞が狭くなり、脊髄を圧迫することで症状につながる。
両方とも色々な検査の結果、MRIで確定診断になります。画像上、異常が認められても症状がない人もいます。