整骨院や治療院・リラクゼーションなどを利用する理由は人によって様々だと思いますが、肩こりや腰痛などで辛く筋肉を緩めたいと考えている人が多いのではないでしょうか。この場合、急に痛くなったというよりは、慢性的に辛さを感じでいる人の割合が高いです。
話を聞いていくと大体の場合は最初のきっかけになった要因を教えてくれる人が多く、数年〜数十年前のエピソードになります。その時からずっと同じ痛みや辛さが続いているかと言うと全く感じないことや強弱の差はあっても気にならないこともあるといいます。
これは慢性痛を抱えている人の典型的な状態と言えます。
慢性痛の判断をする時にひとつの指標となる事は器質的損傷・非器質的損傷のどちらになるかになります。痛みや辛さを感じている部分が非器質的損傷ならば、慢性痛だろうとの見立てになります。
そもそも慢性痛とはどんな状態なのか。
定義は3ヶ月以上続く持続的または断続的な痛みです。
慢性痛の場合は「痛みの原因がわからない」という事を理解しましょう。そして、治療の基本的な考えとしてはADLやQOLの向上を目指すにことになり、痛みを減らす事は副次的効果になります。
逆に急性痛の場合は、原因があきらかになるので組織侵害の治癒促進・鎮痛が目的になります。
上記からも分かるように慢性痛と急性痛では目的が大幅に変わってきます。痛み・辛さにばかりめを向けてしまうと目的から行動や考え方が大きく外れてしまい結果、痛みの複雑化が進んでしまう可能性が出てきます。
もうひとつ、慢性痛で勘違いが起きていることで要素還元主義というものがあります。これは画像検査で異常所見が見つかったとしても必ずしも痛みの原因とは限らないということです。よくあるケースはレントゲンやMRIを撮影して首・背中・腰の骨に変形が見つかった時です。年齢を重ねるとほとんどの人の骨に変形があります。これは痛みのない人も含めてです。
画像診断の考え方は原因が無い事の確認と異常が見つかった時に痛みの原因かもしれないと考える事になります。