ギックリ腰と仙腸関節障害

急に腰が痛くなることを急性腰痛といいます。

これを聞いた時に思い浮かぶものは、ギックリ腰が多いのではないかと思います。

当院にも急に腰が痛くなって来院される人にギックリ腰の人も少なくありません。

しかし、内科的疾患で腰に痛みが急に出ることあるので、全部がギックリ腰ではありません。

ここでは、整形外科領域の中で起きる急性腰痛のギックリ腰と仙腸関節障害の違いを紹介していきます。

それぞれの特徴は

□ギックリ腰(急性腰痛症)

正式名称:急性腰痛症

定義:突然(数秒〜数分以内)に激しい腰痛が発生し、動けなくなる状態

原因:非常に多岐にわたる(筋・筋膜性、椎間関節性、椎間板性、仙腸関節性、靭帯損傷など)

画像検査(レントゲン・MRI)で異常が見つからないケースが**約85〜90%**を占める「非特異的急性腰痛」

典型的なきっかけ:重いものを持ち上げた、中腰で捻った、くしゃみをした、朝起きた瞬間など

□仙腸関節障害

仙骨と腸骨の間にある仙腸関節(ほぼ動かないはずの関節)に過剰なストレスがかかり、微細な捻じれ・機能障害・炎症が生じた状態

可動域はわずか3〜5mm程度しかないが、このわずかな動きが狂うと強い痛みが出る

主な違いを比較(症状・特徴)

項目 典型的なギックリ腰(筋・筋膜・椎間関節性など) 仙腸関節障害が原因のギックリ腰(仙腸関節性)
痛みの主な場所 腰の中央〜やや広範囲 お尻の上の方(仙骨のすぐ横)、片側が多い
痛みの指し示し方 手のひらで覆うように広い 人差し指1本でピンポイント(One finger test陽性)
特徴的な圧痛点 腰の筋肉、棘突起周辺 上後腸骨棘(PSIS)、仙結節靭帯、長後仙腸靭帯
痛みが強くなる動作 前屈、起き上がり、重い物を持つ 座位が特に辛い、片脚立ち(軸足側)、骨盤後傾、寝返り
座位 vs 立位 どちらも辛いことが多い 座位で悪化、立位・歩き始めはマシ(歩くと楽になる人も)
下肢への関連痛 坐骨神経痛のように膝下まで出ることも お尻〜鼠径部〜太もも後面まで(膝下までは少ない)
寝姿勢 仰向けがつらい場合も 仰向け・痛い側を下にすると激痛、正座は意外と平気
画像検査 ほとんど異常なし ほぼ異常なし(診断は触診・疼痛誘発テストが重要)
代表的な誘発テスト SLR(下肢伸展挙上)、Kempテストなど Newtonテスト、Patrickテスト、Gaenslenテストなど

経験上、痛みが早く取れやすいのは仙腸関節障害と感じます。

痛くなった時は、専門家に相談しましょう。

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