肋骨すべり症候群について

肋間神経痛って言葉は聞いたことある人は少なくないと思います。

これは肋骨に沿ってある肋間神経が何かしらのきっかけで障害が起きて

痛みが背中から脇腹、胸の前面やおへそ辺り、まれには足の付け根まで痛みを感じることがあります。

原因がはっきりしているものからはっきりしないものまであります。

今回は肋骨すべり症候群によって起こる痛みを紹介します。

聞いたことがない人も多いと思います。

肋骨すべり症候群(Slipping Rib Syndrome、以下SRS)は、肋骨の異常な可動性によって引き起こされる比較的まれな疾患になります。
SRSは、肋骨が胸骨や隣接する肋骨と連結している軟骨部分(肋軟骨)が緩んだり、損傷したりすることで、肋骨が過剰に動く状態を指します。
特に「浮遊肋骨」と呼ばれる8~10番目の肋骨は胸骨に直接固定されておらず、
軟骨を介して上部の肋骨に接続されているため、動きやすい構造になっています。
この緩みや異常な動きが、肋骨が前方や後方に「すべる」現象を引き起こし、周辺の神経、筋肉、または軟骨に圧迫や炎症を誘発します。
原因
□外傷 胸部への直接的な打撲(スポーツ中の衝突や事故など)が肋軟骨を損傷し、SRSを引き起こすことがあります。
□反復的な動作 ゴルフ、テニス、ボート漕ぎなど、胸郭を繰り返し動かすスポーツや、咳が続く呼吸器疾患が肋軟骨に負担をかける場合があります。
□姿勢の悪さ 長時間の不良姿勢(猫背など)が胸郭の構造に影響を与え、肋骨の異常な動きを誘発することがあります。
□先天的な要因 一部の患者では、肋軟骨の構造的な脆弱性や異常が先天的に存在する場合があります。
□手術や炎症 胸部手術や肋軟骨炎(ティーツェ症候群など)がきっかけでSRSが発生することがあります。
症状
□痛みの性質 痛みは片側(右側または左側)に限定されることが多く、動作(特に体幹のひねり、深呼吸、咳、くしゃみ)や圧迫で増悪します。安静時には軽減する場合もあります。
□クリック音や感覚 肋骨が動く際に「ポキッ」という音や、すべる感覚を自覚することがあります。
□関連症状 痛みが腹部や背中に放散することがあり、消化器疾患(胃炎や胆石症など)と誤診されることもあります。また、神経圧迫によるしびれや灼熱感が現れる場合もあります。
□間欠的な症状 症状は一時的に消失し、再発を繰り返すことが多いです。
治療方法
保存的治療
□安静と生活習慣の修正 痛みを誘発する動作(重い物の持ち上げや激しい運動)を避け、姿勢を改善します。
□薬物療法 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や局所麻酔薬を使用して痛みや炎症を抑えます。
□理学療法 胸郭の筋力強化や柔軟性向上を目的とした運動療法が有効な場合があります。
□神経ブロック 肋間神経ブロック注射を行い、痛みを軽減します。
外科的治療
保存的治療で改善しない場合、肋軟骨や異常な肋骨の一部を切除する手術(肋骨固定術や肋軟骨切除術)が検討されます。
近年は低侵襲な内視鏡手術も行われています。
手術は症状の劇的な改善をもたらすことが多いですが、再発や合併症のリスクも考慮されます。
SRSは適切な診断と治療が行われれば、症状が大幅に改善する可能性が高い疾患です。
保存的治療で十分な効果が得られる場合も多いので気になる場合は専門家にそうだんしましょう。

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