前回は首の代表的な疾患をいくつか紹介をしました。今回はその中から後縦靭帯骨化症について紹介をしていきます。
後縦靭帯骨化症は一度発症すると完治は難しい疾患になります。よって治療の目的は症状の管理と進行を遅らせるまたは現状維持をしていくことが治療の目的になります。完治しないことから国が定める難病に指定されています。
読んで字のごとくこの疾患は後縦靭帯が何かしらの原因によって骨化と骨のように硬くなってしまいます。後縦靭帯がある場所は脊椎にある脊柱管の前方部分にあります。そして、脊椎は頸椎・胸椎・腰椎でできています。このどの場所でも骨化は起きます。骨化してしまうと後縦靭帯の後方に存在する脊髄を圧迫してしまいます。その結果神経症状が出現したりします。
主な症状は
□運動麻痺 腕が動かしにくい・指先が思うように動かせないなど
□感覚障害 手足のしびれ・感覚が鈍くなる
□排尿排便障害 自分の意思に反して排尿・排便がコントロール出来なくなる
□その他に自律神経障害 体温や血圧が正常に保たれなくなる
この疾患になる人はどのくらいいるのか。おおよそ年に3万人くらいが発症するようです。この数は何かしら症状がありレントゲンなど検査をした人が対象になり、実際は靭帯が骨化しても症状がなく気がつかないケースも存在するので骨化だけに着目するともう少し多くなると予想できます。
原因は完全に解明されいませんがリスクになることはある程度整理されています。
□遺伝的要素
□性ホルモンの異常
□カルシウム・ビタミンDの代謝異常
□糖尿病
□肥満傾向
□老化現象
□骨化部位における局所ストレス
などがあるがこれらひとつでなるというよりは複数が絡みあった結果罹患すると考えられている。
治療方法は保存療法と手術療法がある。症状が重度の時は手術になるがその他は保存療法で経過をみながら症状緩和を目指して疾患と上手く付き合っていくことになるので対処療法となる。