胸郭出口症候群

体が痛い時は、痛みを感じている場所に原因があると思いがちですが、痛みを感じている場所と違う所に原因がある場合も少なくありません。

腕や足は、このようなパターンに当てはまることがよくあります。

胸郭出口症候群はそのひとつになる疾患なので紹介していきます。

胸郭出口症候群は、首から肩、腕にかけて走る重要な神経(腕神経叢)や血管(鎖骨下動脈・静脈)が

首と胸の間の狭い通り道(胸郭出口)で圧迫されることで起こる症状の総称です。

20〜50代の女性に多く、特にデスクワークや重労働、スポーツをする人に発生しやすい疾患です。

胸郭出口が狭くなる3つの主な場所があります。

□前斜角筋・中斜角筋の間(斜角筋症候群)

首の筋肉が緊張・肥大すると神経や血管が圧迫される。最も多いタイプ。

□鎖骨と第1肋骨の間(肋鎖症候群)

鎖骨が下がったり、第1肋骨が高かったりすると隙間が狭くなる。外傷(鎖骨骨折など)の後や、なで肩の人に多い。

□小胸筋の下(小胸筋症候群/過外転症候群)

腕を頭の上に挙げた姿勢(例:電車のつり革を持つ)で圧迫される。美容師・画家・バレーボール選手などに多い。

主な症状

首〜肩〜腕〜手(特に小指側)の痛み・しびれ・ピリピリ感

腕を上げると症状が強くなる(特に頭より上に挙げた時)

手の握力低下、物が落としやすい

腕が重だるい、冷たい、むくむ

夜間や朝方に症状が強くなることも

重症だと手の筋肉が痩せてくる(筋萎縮)

治療法

保存的治療(約80〜90%の人が改善)生活習慣の改善

猫背・巻き肩を直す、重い荷物を持たない、長時間の同じ姿勢を避ける

姿勢矯正・ストレッチ

斜角筋、胸筋、小胸筋のストレッチ、肩甲骨を寄せる運動

筋肉の緊張を取る

理学療法、マッサージ、鍼治療、トリガーポイント注射

薬物療法

消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、神経障害性疼痛治療薬(リリカなど)

手術療法(保存的治療で改善しない場合)第1肋骨切除術(最も一般的)

前斜角筋・中斜角筋切離術

鎖骨下動脈の血栓除去やバイパス手術(血管型の場合)

手術の成功率は70〜90%程度ですが、再発や合併症(気胸、神経損傷)のリスクもあるため、慎重に適応を決めます。

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