子供ころに背中を丸くしていると背すじを伸ばしなさいと注意される風景は日常茶飯事だったと思います。
なぜ、姿勢をよくしたほうがいいのか。
さまざまな理由があると思います。
今回は姿勢と呼吸の関係から考えてみていきます。
姿勢は、呼吸の効率や肺の機能に直接的な影響を与えます。
人間の呼吸は、横隔膜、肋間筋、腹筋などの筋肉が協調して働くことで行われますが、
姿勢が悪いとこれらの筋肉の動きが制限され、呼吸が浅くなることがあります。
猫背や前かがみの姿勢では、胸郭(胸部を構成する骨格)が圧迫され、肺が十分に膨らむスペースが減少します。
これにより、吸気量が減少し、酸素の取り込み効率が低下します。
対照的に、背筋が伸び、肩がリラックスした姿勢では、胸郭が十分に開き、横隔膜が自由に動けます。
これにより、深い呼吸が可能になり、酸素供給が向上します。
特に、背骨が自然なS字カーブを保つ姿勢は、呼吸筋の最適な働きをサポートします。
姿勢と呼吸の関係は、全身の健康にも影響を及ぼします。
悪い姿勢による浅い呼吸は、血液中の酸素濃度を下げ、内臓機能や免疫系にも悪影響を与える可能性があります。
逆に、良い姿勢と深い呼吸は、心肺機能を高め、ストレスホルモンの分泌を抑えるため、心身のバランスを整えます。
特に、慢性的なストレスや不安障害を抱える人にとって、姿勢と呼吸の改善は有効な対処法として注目されています。
姿勢や呼吸で意識すること
姿勢の意識 椅子に座る際は、背もたれに頼らず、骨盤を立てて座る。
肩をリラックスさせ、胸を開く意識を持つ。
デスクワーク中は、1時間ごとに立ち上がってストレッチを行う。
呼吸法の練習 腹式呼吸を習慣化する。鼻からゆっくり吸い、腹部を膨らませ、口からゆっくり吐く(4秒吸って4秒吐くリズムが目安)。
ヨガや瞑想を通じて、呼吸と姿勢の連動を意識する。
エクササイズ ピラティスやストレッチでコア筋を強化し、背骨の柔軟性を高める。
胸郭を開くストレッチ(例:胸を開くヨガのポーズ)を取り入れる。
日常生活での工夫 スマホやPCを使う際、画面を目線の高さに調整して頭部前傾を防ぐ。
長時間の座位を避け、定期的に姿勢をリセットする。