前回は交通事故について話を進めていました。
交通事故のケガでイメージされるのは「むち打ち」なのではないかと思います。
「むち打ち」は外傷性頚部症候群といいます。
原因になるのは交通事故はもちろんですが、
その他にラグビー・アメリカンフットボール・レスリング・柔道など相手とぶつかったり、
スキーやスノーボードなどでの転倒があるスポーツでもよく起こります。
日常生活においても転倒の仕方によって「むち打ち」になることもあります。
想像しているよりも身近で起きることが考えられます。
そのような「むち打ち」ですが
これを細かくわけると4種類にすることができます。
□頚椎捻挫 「むち打ち」の場合は、ほとんどがここに属します。レントゲン検査で異常は見当たりません。椎間板や靭帯などを損傷している可能性が高くなり、症状は首や肩の痛みなどがメインになります。
□神経根症 首の神経の出口で神経の損傷や炎症などが起きることで神経の支配領域である腕に痛みや知覚異常が出現します。首を動かした時に症状が増悪します。
□脊髄損傷 脊髄は神経の大元になるのでここを痛めてしまうとしびれや麻痺が現れる可能性があります。特に四肢に出現することが特徴的です。損傷の度合いによっては寝たきり・歩行困難などもありえます。
□自律神経障害(バレ・リーウー症候群) 体にさまざまな不定愁訴が現れます。主な症状は、めまい・頭痛・耳なり・吐き気・聴覚障害・視覚障害・不眠など
治療は受傷後しばらくはネックカラーという首を固定する装具を使用して不用意に首を動かしてしまい症状を悪化させないことから始めます。
ネックカラーはエリマキトカゲみたなものというとわかる人もいます。
時間の経過で症状が回復してくる人が多いのですが、症状が長く残ってしまう人もいます。
長く症状が残っている人については、慢性期に移行しているので、
症状の改善は慢性痛の施術方法の考え方に切り替えたほうが有効かもしれません。