膝が痛い時にセットになってついてきやすい言葉に「水は溜まってる」と不安な感じで聞いてくる人が多いです。膝が悪いと膝に水が溜まると認知されているからだと思いますが、痛みと水が溜まることはセットではありません。水が溜まってなくても膝が酷い状態の時はいくらでもあります。膝に水が溜まることで相談を最近受けたので、この事について整理していきます。
この水とは一体どういったものなのか。関節液というもの一般的に水と呼んでいます。関節包という袋の中に入っている粘り気のある液体になります。この関節液の役割は大きくふたつに分けることが出来ます。ひとつは関節の動きを滑らかにする潤滑作用。もうひとつは関節軟骨に栄養を与える作用。
この関節液は通常は一定の量(1㏄)に保たれていますが、膝の関節内に炎症が起きると滑膜から関節液が大量に分泌されます。多い時は通常の50倍くらい溜まることもあります。
膝に水が溜まるとどんな症状が出るのか。
□痛みがある
□歩きにくい
□腫れや熱を持つ
□重だるい感じがする
□膝の曲げ伸ばしがやりにくい
などがあります。
なぜこうした症状になるのか。理由は大量に出た関節液には正常時の関節液と違い有効成分が乏しく膝への衝撃を和らげることができません。
関節液が過剰に溜まってしまった時にどうするのか。選択肢はふたつあります。関節液を抜くのかor関節液が吸収されるのを待つのか。症状が強ければ強いほど関節液を抜いたほうが早く症状が軽快することが多いです。関節液を抜くとクセになるからやりたくないとの声も聞きますが実際にクセになることはありません。関節液を抜いてもまた溜まってしまう時は関節液が溜まる原因を取り除けていないから同じことを繰り返してしまうのです。
原因がなかなか特定できずに関節液が溜まっては抜くと繰り返すこともあるかもしれませんが粘り強く治療を続けて関節液が溜まらない状態にできればきっと毎日を快適すごせるようになります。