数回、頭部外傷について紹介をしてきています。転倒して頭を打つことは日常生活でも遭遇することがありえるケガになり、知識があれば対応次第で防げることも沢山あります。
頭部外傷でこのような症状がみられたら迅速に脳外科を受診しましょう。
□物が見えにくい
□意識が朦朧とする
□けいれんを起こす。
□手足に力が入らない。しびれる。
□嘔吐が何回も続き、吐き気が止まらない。
□頭痛がだんだん酷くなる。激しい頭痛がする。
ここまでは確認すると知識が無いとしても経験的に病院に行ったほうがよさそうだなと思うのではないでしょうか。また、その後の行動も大切になります。まずは24時間くらいは行ったほうがいいことがあります。
□入浴は控える
□できるだけ静かにする
□振動するものにのらいない
□アルコール類やチョコレートなど刺激の強い食べ物は控えること
□万が一嘔吐した時のことを考えて食事を控えめにし消化のよいもの摂取する
一般的に数日間、異常がなければ問題がないことがほとんどになります。
これで頭部外傷は終わりというわけではありません。受傷直後に異変がなく、画像所見などでも異常がみられなくても画像に映らないような微細な出血により数週間〜2ヶ月くらいを経過してから症状が現れることが稀にあります。
これを慢性硬膜下血腫と呼びます。頭をうつ・ぶつけるなどから時間が経過してから頭痛や認知症のような症状などが現れたりします。本人も周りの人も頭をうった・ぶつけたことを忘れているくらい軽い衝撃でもありえるのでこの期間を過ぎるまでは完全に安心とはいきません。
特にリスクのある人の特徴は
□アルコール多飲
□抗凝固剤の不要
□水頭症の手術後
□透析を受けている
□脳の萎縮が認められる
などがあります。
このあたりのを押さえておくと慌てずに対応していけると思います。
もしも、転倒などによって頭に強い衝撃を受けた人に遭遇したら覚えた知識をフル活用しましょう。何をすればいいのかわからなくなってしまった時は119を呼ぶだけで十分だと思います。