脊椎圧迫骨折と聞いてどの辺りに痛みがあるのか想像がつくでしょうか。
体に関係する仕事でなければほとんどの人は体の作りを知らないので、何を言っているのか。
分からなくても不思議ではありません。
簡単にいうと首の骨・背中の骨・腰の骨をまとめて脊椎といいます。
これが潰れてしまうと脊椎圧迫骨折になります。
この骨折は、特に高齢者に多く、骨粗鬆症による骨の脆弱化が主な原因となることが一般的です。
また、交通事故など強い外力が加わっても起こることがあります。
症状は骨折の程度や部位によって変わってきます。
□背部痛・腰痛 急性期には鋭い痛みが特徴で、動くたびに悪化します。
□姿勢の変化 骨折により椎体が潰れると、背中が丸くなる(円背)や身長が縮むことがあります。
□運動制限 痛みにより体を曲げたり、ひねったりする動作が難しくなります。
□神経症状 まれに、骨折片が脊髄や神経を圧迫すると、しびれ、筋力低下、歩行障害が起こることがあります。
□無症状 X線検査で初めて発見されることもあります。
治療方法
□安静 急性期は数日から数週間、過度な動きを避けます。
□鎮痛剤 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やオピオイドが使用される場合があります。
□コルセット 背骨を安定させ、痛みを軽減するために装具を着用します。
□リハビリテーション 痛みが落ち着いた後、筋力強化や姿勢改善のための運動療法を行う。
外科的治療では
□椎体形成術(BKP/KP) 骨セメントを椎体に注入し、安定化と痛みの軽減を図る低侵襲手術。骨粗鬆症による骨折でよく用いられます。
□脊椎固定術 重度の骨折や神経症状がある場合、金属プレートやスクリューで脊椎を固定します。
脊椎圧迫骨折になる前の予防が大切です。
カルシウムやビタミンDを十分摂取。適度な運動(ウォーキング、筋トレ)で骨を強化する。
そして、転倒などのリスクを減らすことによって、脊椎圧迫骨折の予防につながると考えられます。