腰の痛みで悩んでいる人は多く、腰痛という括りだと日本には約2800万人いるといわれています。腰の痛みの原因と考えられる事は色々とあります。その中でもメディアなどを通じてよく見聞きするものに腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症があります。両方とも腰や足が痛くなったり、足がシビレたりと症状が似ている部分も少なくはありませんが、原因になる部分は同じではありません。違いを知ることによって対応方法も若干変わったりするので知識をつけていきましょう。
両方と神経を圧迫する点は同じですが圧迫する場所に違いがあります。
□腰椎椎間板ヘルニア 骨と骨の間にある軟骨が後ろに飛び出てきます。骨の後ろには足にのびている神経があり、後ろに飛び出てしまった軟骨がこの神経に触れたりすと痛みやシビレが出たりします。症状は左右のどちらかになります。
□腰部脊柱管狭窄症 首・背中・腰の脊柱管(骨の中)を通っている脊髄(神経)の通り道が狭くなってしまい、脊髄を圧迫してしまい腰の痛みや足のシビレが出たりします。
これがそれぞれの病態になります。ここでの大きな違いは腰椎椎間板ヘルニアで飛び出してしまった軟骨は時間の経過で体内に吸収されていくので自然に治っていきます。しかし、腰部脊柱管狭窄症は骨の肥厚によるもの、かなり噛み砕くと骨の変形によるものなので骨が自然に元の状態に戻っていくことはありません。ここで解説している治るor治らないは器質的な話になります。
どういうことなのかというと、骨や軟部組織が正常と呼ばれる状態に戻るかどうかになります。骨や軟部組織が元の状態に戻った・戻らなかったとしても必ずしも症状の変化に直結する訳ではないということを知っておく必要があります。
しかし、骨や軟部組織が正常といわれる状態に戻ると症状が落ち着いてくる可能性は高くなります。人によっては骨や軟部組織が正常でなくても症状が全くない人もいるので、器質的なものと症状によってトータルで判断が必要になります。