体の調子が悪くて病院やクリニックを受診するとさまざまな検査をします。
問診から始まり触診や画像検査など行い原因を探っていきます。
よく知られているのはレントゲン検査ではないでしょうか。
このレントゲン検査で何が分かるのかはまで知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで画像検査の特徴などを紹介していきます。
□レントゲン(X線検査)
用途
骨折・脱臼 骨の異常(骨折、変形、関節脱臼)を検出するのに最適。
胸部検査 肺結核、肺炎、肺がん、心不全(心拡大)、胸水などの診断。
腹部検査 腸閉塞(空気像の異常)、腎結石、異物誤飲の確認。
歯科 虫歯、歯根の状態、顎骨の異常。
メリット 簡便性:検査時間は数秒~数分で、特別な準備が不要。
低コスト 他の画像検査(MRIやCT)に比べ安価で、ほとんどの医療機関で実施可能。
即時性 デジタル化により即座に画像確認が可能。
被ばく量が少ない 現代の装置では被ばく線量が大幅に低減されている。
デメリット
被ばく X線は放射線のため、微量ながら被ばくリスクがある(特に妊娠中は胎児への影響を考慮)。
軟部組織の描出が苦手 筋肉、腱、靭帯、内臓の詳細な評価は困難。
MRI
用途
脳・脊髄:脳梗塞、脳腫瘍、髄膜炎、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア。
関節 膝の半月板損傷、靭帯断裂、肩の腱板損傷。
腹部・骨盤 肝臓腫瘍、膵臓がん、子宮筋腫、卵巣嚢腫。
心臓 心筋症、心臓弁膜症の評価。
メリット
放射線被ばくなし:X線やCTと異なり、妊娠中でも安全(ただし初期は慎重)。
軟部組織の高解像度:脳白質、筋肉、腱、靭帯、内臓の微細な構造を鮮明に描出。
多方向撮影:任意の断面(矢状面、冠状面、横断面)で観察可能。
機能評価:拡散強調画像(DWI)で脳梗塞の急性期診断、fMRIで脳機能マッピング。
デメリット
検査時間の長さ:20~60分程度で、動くと画像がブレるため静止が必要。
閉所恐怖症:狭いトンネル型装置で不安を感じる患者がいる(オープンMRIで対応可)。
金属禁忌:ペースメーカー、人工関節、金属クリップがある場合、検査不可または制限。
高コスト:装置や運用コストが高く、検査費用も高い。
CT
用途
頭部 脳出血・脳梗塞・頭部外傷・脳腫瘍。
胸部 肺がん・肺炎・肺塞栓・縦隔腫瘍。
腹部 膵炎・胆石・腎結石・腹部大動脈瘤・腸閉塞。
骨 複雑骨折・骨腫瘍。
緊急 外傷・交通事故・多発性損傷の全身評価。
メリット
高速撮影 数秒~数分で全身撮影可能(緊急時に対応)。
高解像度 骨、肺、血管の詳細な評価が可能。
3D画像 血管造影や骨折の立体構造を把握。
造影剤使用 腫瘍や血管病変の血流評価に有効。
デメリット
放射線被ばく レントゲンより被ばく量が多い(特に造影CT)。
造影剤リスク ヨード造影剤によるアレルギーや腎障害の可能性。
軟部組織の解像度 MRIに比べ、脳白質や関節軟部組織の評価は劣る。
超音波エコー
用途
腹部:肝臓(脂肪肝、肝腫瘍)、胆嚢(胆石)、腎臓(腎結石)、脾臓。
産科 胎児の成長・奇形・羊水量・胎盤位置。
心臓 心エコー(弁膜症、心筋症、心不全)。
血管 頸動脈(動脈硬化)・下肢静脈(深部静脈血栓症)。
甲状腺・乳腺 腫瘤の性状評価。
メリット
放射線被ばくなし 妊娠中や小児でも安全。
リアルタイム 心臓の動き ・胎児の動き・血流を動画で観察。
簡便・低コスト:ベッドサイドで実施可能、検査費用が安い。
非侵襲的 痛みやリスクがほぼない。
デメリット
操作者依存 技師の技術で画像品質が大きく異なる。
限界 骨や空気(肺、腸管ガス)で超音波が遮断され、深部や骨内部の評価が困難。
解像度 CTやMRIに比べ、微細な病変の検出が劣る場合あり。

















