日常生活で手で何かを持つということは、1日の中で少なくても数回は行っている動作だと思います。
何気ないことなので、いちいち数えたりはしないはずです。
しかし、手首に痛みを感じ出した途端に不便を感じ始めると思います。
痛みを感じていれば、治そうと思うことは自然な気持ちです。
治すには、なぜ痛いのか。
これが分からなければ対応のしようがありません。
今回は手首でも小指側に痛みを感じていること例にとって話をすすめていきます。
この部分に痛みをTFCC損傷といいます。
TFCCとは手首の尺側(小指側)に位置する軟骨と靱帯の複合構造で、
手首の安定性や動きを支える重要な役割を果たします。
具体的には、三角繊維軟骨・尺側側副靱帯・月状骨と三角骨をつなぐ靱帯、腱鞘などで構成されています。
TFCCの役割
□手首の尺側での負荷を吸収(クッションの役割)。
□前腕の回内・回外運動(手のひらを上下に動かす動作)をスムーズにする。
□手首の安定性を保つ。
主な症状
□手首の尺側(小指側)の痛み 特に手首を動かすときや物を持つ際に悪化。
□クリック音や引っかかり感 手首を動かす際に音や違和感が生じる。
□握力低下 物を握る力や手首の安定性が低下。
□腫れや圧痛 手首の尺側に軽い腫れや圧迫時の痛み。
□回内・回外運動の制限 手のひらを上下に動かす動作が制限される。
主な原因
□外傷性損傷 手首を強くひねったり、転倒時に手をついたりすることで生じる。スポーツ(テニス、ゴルフ、野球など)や事故が原因となることが多い。
□変性損傷 加齢や繰り返しの負荷による摩耗。特に尺骨が橈骨より長い場合(尺骨突き上げ症候群)、TFCCに過剰な圧力がかかり損傷しやすくなる。
□その他の要因 関節リウマチや痛風などの炎症性疾患も関与することがある。
患部に負担をかけないようにすることで、痛みが軽減していくケースも少なくありません。
しかし、靭帯が断裂していたりするなど、軟部組織の損傷度合いが酷い場合は手術も検討されます。