足首が動かしにくい・痛むなどが悩みの種になることがあります。
この場合、日常生活でというよりは運動をしている時に感じ、三角骨障害と呼ばれるものがあります。
三角骨自体は無症状であることが多いですが、特定の動作や外傷によって痛みや運動制限を引き起こすことがあり、
特にバレエダンサーやサッカー選手など、足首を頻繁に使うアスリートに多く見られます。
三角骨は、距骨の後突起に存在する付属骨で、人口の約7~25%に存在するとされています。
多くの場合、三角骨は無症状で、日常生活で問題を引き起こしませんが、足首の底屈(つま先を下げる動き)や強い
衝撃が加わることで、周囲の軟部組織や関節に影響を与えることがあります。
主な症状
□足首後方の痛み 特に底屈時に痛みが強まります。安静時には軽減することが多いです。
□腫れや圧痛 三角骨周辺の軟部組織が炎症を起こし、触ると痛みを感じることがあります。
□運動制限 足首の可動域が制限され、特に底屈が困難になることがあります。
□クリック音や引っかかり感 三角骨が関節内で動くことで、クリック音や引っかかり感が生じることがあります。
三角骨が存在しても無症状の場合も少なくないので、治療や施術にあたって、
アキレス腱炎・後脛骨筋腱炎・距骨下関節症など、類似の症状を示す疾患との鑑別が必要になります。
予後は保存的治療で症状が軽快する場合が多く、外科的治療を受けた場合も高い成功率が報告されています。
ただし、リハビリを怠ると再発のリスクがあります。
治療
□アイシング 炎症や腫れを抑えるために、患部を冷やします。
□物理療法 ストレッチや筋力トレーニングで足首の安定性を向上させます。
□装具やテーピング 足首の動きを制限し、三角骨への圧迫を軽減します。
□薬物療法 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用して痛みと炎症を抑えます。
□ステロイド注射 重度の炎症がある場合、局所的なステロイド注射が行われることがあります。
□三角骨摘出術 三角骨を外科的に取り除く手術です。関節鏡を用いた低侵襲な方法が一般的です。
予防
□適切な靴の選択 足首をサポートする靴を選ぶ。
□ウォームアップとストレッチ 運動前に十分な準備運動を行う。
□過度な底屈を避ける 特にバレエやサッカーなどでは、技術的な改善を図る。
□筋力強化 足首周りの筋肉を強化し、安定性を高める。