整骨院や治療院になどに利用する人は痛みやシビレを中心とした症状が多く、
その原因も筋肉に問題があるのだろうと確信しているケースが少なくありません。
もちろん、大半はこのような範疇におさまってくるのですが、そうでない事もあります。
今回はそのような例の疾患をひとつ紹介します。
当院でもたまたま、この疾患に遭遇したことがあります。
ご本人の感覚としては、調子が悪くなったのが転倒した時期と重なっていたので
その時に腰を痛めて一ケ月くらい治らずにいたという感覚だったみたいです。
症状のメインは腰の痛みと歩くとすぐに休みたくなるので、ベビーカーを押して歩くようになったという事でした。
話を聞くと間欠性跛行のような言い回しになっていたので、腰部脊柱管狭窄症なのかと思いましたが、
いろいろとコミュニケーションを取っていくうち重症筋無力症だったというとろこ落ち着きました。
重症筋無力症の主な症状は、筋力低下と疲労感で、活動を繰り返すと悪化し、これを易疲労性といいます。
□眼筋型 約50~60%の患者で最初に現れる。眼瞼下垂(まぶたが下がる)、複視(物が二重に見える)が特徴。眼筋型は眼の症状に限定される場合が多く、全身に広がらないこともあります。
□全身型 眼症状に加え、四肢、首、顔面、呼吸筋、嚥下筋に筋力低下が広がる。例として、腕や足の重さ、話す・飲み込む困難、呼吸困難などが挙げられます。
□重症化(筋無力症クリーゼ) 呼吸筋の低下により呼吸不全を起こす緊急状態。早急な治療が必要です。
また、症状は日内変動(夕方に悪化しやすい)や活動後の増悪が特徴で、休息や冷やすことで一時的に改善します。
予後と生活上の注意重症筋無力症は適切な治療で多くの患者が日常生活を送れるようになります。
眼筋型は比較的予後が良く、全身型でも治療で寛解(症状がほぼ消失)する例が増えているようです。
日本では難病指定により、医療費助成が受けられる場合があります。
また、患者会や支援団体も存在し、情報交換や精神的な支えを提供しています。
症状と上手く付き合っていくことになるので専門医との連携は不可欠になります。