足根洞症候群について

前回は足首の内側で神経の圧迫が起きる症状の話を進めていきました。

内側があるのなら外側もあるのではと疑問に思っても不思議ではありません。

疑問の通り外側でも神経の圧迫によって起こる症状があります。

それは足根洞症候群といいます。

今回はこれについて紹介をしていきます。

足根洞症候群(そっこんどうしょうこうぐん)は、足首の外側にある足根洞(そっこんどう)と呼ばれる小さな空間に炎症や損傷が生じることで発症する疾患です。

この症候群は、足首の不安定感や局所的な痛みを特徴とし、特に足首の捻挫や過剰な回内(足の内側への傾き)が原因で発生することが多いです。

足根洞症候群とは足根洞は、距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)の間、足首の外側(外果の前方)に

位置するトンネル状の空間で、距下関節(そっかかんせつ)の一部を構成します。

この中には脂肪組織、血管、神経、靭帯(距踵間靭帯など)が含まれ、足首の安定性やスムーズな運動を支えます。

足根洞症候群は、足根洞内の組織の炎症、瘢痕化、または靭帯の損傷により、痛みや不安定感が生じる状態です。

特徴としてあげられることのひとつに、神経の圧迫によって症状が起こるよりも、軟部組織や関節の異常が主な問題になります。

主な原因

□足首の捻挫 特に外側靭帯(前距腓靭帯など)の損傷を伴う捻挫が、足根洞に炎症や瘢痕を引き起こす。繰り返す捻挫はリスクを高めます。

□過剰回内 扁平足や足のアーチ低下により、足根洞に過剰な機械的ストレスがかかり、炎症を誘発。

□反復的なストレス ランニング、ジャンプ、サッカーなど、足首に繰り返し負荷がかかるスポーツや活動。

□関節炎 関節リウマチ、変形性関節症、痛風などにより、足根洞周辺の関節や軟部組織が炎症を起こす。

□外傷後の瘢痕 過去の骨折や靭帯損傷により、足根洞内に瘢痕組織や脂肪組織の変性が発生。

□異常な足の構造 先天的な骨の変形(例:距骨や踵骨の異常)やアライメント不良。

症状

□痛み 足首の外側(足根洞付近)に鋭いまたは鈍い痛み。歩行、走行、または足根洞を押すことで痛みが強まる。特に、坂道や不安定な地面で悪化。

□不安定感 足首が「ぐらつく」感覚や、距下関節の不安定性による歩行困難。

□腫れと圧痛 足根洞周辺の軽度な腫脹や、触れると強い圧痛。

□硬直感 足首の可動域が制限され、特に外側への動き(回外)が困難になる。

気になることが当てはまる時は専門家に相談しましょう。

 

 

 

 

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