前回は頭部に刺激を受けてしまった時の危険性について紹介をしました。
日常生活のみで考えればなかなか現場に遭遇することもないかもしれませんが、
コンタクトスポーツでは少なくはありません。
そこで頭部に刺激が加わった時に取る行動を知っておきましょう。
これが一番大切なことだと思います。
即座に活動を中止する
頭部に強い衝撃を受けた場合、まずその場でスポーツや活動を即座に中止しします。
理由は、脳震盪や頭部外傷の症状はすぐに現れない場合もあるため「大丈夫そう」と自己判断せず、安全を優先します。
特にスポーツ現場では、プレーを続行することで「セカンドインパクト症候群」
(短時間での複数回の衝撃による重篤な脳損傷)が起こるリスクがあるからです。
頭部への衝撃後、以下の症状がないか確認してください。これらは脳震盪やその他の頭部外傷の兆候になります。
□身体的症状 頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、視界のぼやけ、耳鳴り、平衡感覚の喪失。
□認知的症状 意識の混濁、集中力の低下、記憶障害(直前の出来事を思い出せないなど)。
□情緒的症状 イライラ、情緒不安定、異常な眠気。
□その他 光や音への過敏、異常な疲労感。
これらのうちひとつでも症状が確認できた時はすぐに医療機関を受診する準備します。
また、衝撃が強かった場合は念のため医療機関を受診することをおすすめします。
周囲に知らせる。スポーツ中の場合はコーチやチームメイト、日常生活であれば家族や近くにいる人に状況を伝えましょう。
これは、頭部外傷の症状は第三者の方が気づきやすい場合があるからです。
医療機関を受診するまでは安静を保ち、経過観察します。
意識を失った(一瞬でも)・繰り返し嘔吐する・けいれんが起きる・歩行や会話が困難になるなど
通常ではないこと起きた時は、救急車を呼ぶか。緊急で外来を受診しましょう。
頭部外傷では家族やチームメイト、コーチに脳震盪のリスクや初期対応を共有しておくことでいざという時に迅速な対応ができます。