体に感じる痛みは原因が自覚できるものとできないものがあります。
原因が特定できるものは痛みでつらいなと感じていても、言い知れぬ不安は少ないと思います。
しかし、痛いの間違いないが理由が分からない時は不安が増大してくと思います。
このような痛みを感じる時によくある疾患に帯状疱疹があります。
痛みの感じ始めは理由もわからず、痛みを感じている場所の見た目も特に変化はないことがほとんどです。
そこで帯状疱疹の知識を整理していきましょう。
帯状疱疹は、子どもの頃に水痘を発症して治ったあともウイルスが神経節に潜伏しています。
ただし、通常は免疫系によって抑えられています。
しかし、加齢、ストレス、過労、免疫抑制剤の使用、がんやHIVなどの疾患による免疫力低下が引き金となり、ウイルスが再活性化します。
症状は
体の片側(右or左)に沿って、特定の神経分布領域になります。
初期症状は発症の数日前からピリピリ、チクチクするような神経痛やかゆみ、灼熱感が現れます。
この段階では発疹がないので疾患を特定しにくいです。
数日後、赤い丘疹(発疹)が現れ、続いて水疱(水ぶくれ)に変化します。
水疱は数日で膿疱となり、1~2週間でかさぶたになって治癒します。
帯状疱疹の治療は、症状の軽減、治癒の促進、合併症の予防を目的とします。
抗ウイルス薬・鎮痛剤・ステロイド外用薬や抗菌薬軟膏が使用されることがあります。
また、休息・栄養管理・ストレス軽減も重要です。
帯状疱疹は全年齢で発症可能ですが、50歳以上の高齢者に多く、加齢に伴い発症率が上昇します。
日本では、年間約60万人が発症すると推定されています。
予防のために大切なことは、規則正しい生活・ストレス管理・適度な運動になり、
これらは免疫力の向上に役に立ちます。
帯状疱疹は胸の部分に出現することが多く、全体の約50~60%を占めると言われています。
ここで紹介したような症状を感じた時は速やかに医療機関を受診しましょう。