加齢するということは老化していくことさします。
前回、老化の特徴、普遍性・内在性・有害性・進行性の4つがあると紹介しました。
老化の具体的な変化
ここでは構造的に起こりえる物理的な変化と病気があります。
□心血管系 左室肥大・運動時の最大心拍の低下・動脈硬化などがあります。病気では心筋梗塞・心不全・高血圧・末梢血行不全(冷え性や潰瘍)などのおそれが高くなります。
□呼吸器系 肺胞の減少・肺の弾性力の低下などがあります。病気では呼吸機能が全般的に低下・慢性閉塞性肺疾患(COPD・肺気腫)などのおそれが高くなります。
□消化器系 粘膜保護機能の低下・消化管運動の低下(便秘や下痢など)・肝機能低下など。病気では消化管潰瘍・栄養障害・脱水・誤嚥性肺炎・逆流性食道炎などのおそれが高くなります。
□腎泌尿器系 糸球体の喪失・腎血流量の低下・ろ過率の低下など、また腎機能は病気などがなくても年に1%低下する。合併症では慢性腎不全・夜間頻尿・尿失禁などおそれが高くなります。
□筋骨格系 骨量や骨密度の低下・関節液減少や滑膜の弾力低下・筋力低下など。合併症では骨粗しょう症・脆弱性骨折・関節炎・腱鞘炎・ロコモティブ症候群・フレイルなどのおそれが高くなります。
□脳神経系 脳萎縮・脳細胞の減少・神経伝達物質の活性低下など。合併症では軽度認知症・認知症などのおそれが高くなります。
□ホルモン内分泌系 加齢にともなって多くのホルモンは減少する(特に性ホルモン系)・甲状腺機能低下など。合併症では更年期障害(男女)・骨粗しょう症・甲状腺機能低下症の諸症状。
老化するとは、これだけの変化が体に起きます。
この変化に対応をしていくことで生活の質を維持するように心掛けることがベストだろうと感じます。