前回は頚椎症性神経根症について紹介をしました。
これは首の神経の大元から分かれた場所で起こる疾患になります。
神経の大元になり首の脊髄になります。
ここで圧迫が起こるとやはり痛みやしびれなどの症状が現れます。
脊髄は骨の内側にある空間を通っています。
この空間には脊髄以外に靭帯などもあります。
脊髄を圧迫する原因になるものは骨の変形・靭帯の骨化・髄核の飛び出しなどがあります。
これらの脊髄を圧迫するものによって疾患名が変わってきます。
疾患名を紹介しながら症状などについて解説をしていきます。
□頚椎椎間板ヘルニア 首の骨と骨の間にある椎間板というクッションの役割するものがあります。これは髄核といゼリー状のものを繊維輪が囲っています。外堀になっている繊維輪に亀裂が入るなどして破れるとそこから髄核が飛び出してきて脊髄を圧迫したり、触れたりすることで症状が出ることがあります。
□頚椎症性脊髄症 頚椎の変形によって骨棘ができ脊髄を脊髄を圧迫したり、触れたりすることで症状が出ることがあります。脊髄を圧迫しなければ頚椎症と呼び、加齢による変化で起きるものなので病気ではありません。生まれつき脊髄の通り道が狭くて脊髄を圧迫することがあれば発育性脊柱管狭窄症といわれます。
□後縦靭帯骨化症 脊髄の通る空間には後縦靭帯もあります。後縦靭帯は脊髄の前方に位置します。後縦靭帯が骨化してしまい脊髄を圧迫したり、触れたりすることで症状が出ることがあります。症状が進行し重症化するタイプと症状がほぼ現れず基本的に経過観察のみが行われ軽症のまま経過するタイプに分かれます。
□黄色靭帯骨化症 脊髄の通る空間には黄色靭帯もあります。黄色靭帯は脊髄の後方に位置します。黄色靭帯が骨化してしまい脊髄を圧迫したり、触れたりすることで症状が出ることがあります。
脊髄は神経の大元になるので首で圧迫が起きていても足などに症状も出ることがあるので注意深く鑑別する必要があります。