前回の最後にニーイン・トゥーアウトやニーアウト・トゥーインの動作が繰り返されることで痛みが出やすかったり、ケガにつながりやすいですよといった内容で終わりました。膝のケガのきっかけになることはこれだけではありませんけれど、今回はこのふたつに着目して話を進めていきます。
ニーイン・トゥーアウトのほうが言葉として知れ渡っているのかなと思います。まずはこちらから解説をしていきます。
□ニーイン・トゥーアウトとは膝を曲がる時に足部に対して膝が内側に入っていくこと
□ニーアウト・トゥーインとは膝が曲がる時に足部に対して膝が外側に向かっていくこと
標準とされる膝の曲がり方は左右にブレることなく膝のむきは真っすぐになります。言葉だけだとイメージがしにくいので図を参考にしてもらうと分かりやすいと思います。
この図でニーイン・トゥーアウトとニーアウト・トゥーインの膝と足の位置を見ると膝に良くなさそうな角度だなと感じるのではないでしょうか。このひとつの事象だけでケガにつながるわけではありませんが、機械的な刺激が加わること以外の条件を省いて考えると特定の場所に負荷がかかっています。
この条件で膝の痛みを考えていくと
□ニーイン・トゥーアウト 鵞足炎・後脛骨筋腱炎・膝蓋靭帯炎など
□ニーアウト・トゥーイン 腸脛靭帯炎・腓骨筋腱炎など
このよう疾患になる可能性が高くなります。膝の動きの改善方法は一般的なパターンで考えていくとニーイン・トゥーアウトの場合は主にニーアウトをキープできるようになると左右のバランスがおおよそ均一になるので、ニーインを防ぐことが出来る。その為には殿筋群を活性化させることで股関節が内転・内旋することがなくなる。ニーアウトの場合は膝の外側の筋肉の力が強いので内転筋群の活性化をすることによってバランスがおおよそ均一になりニーアウトを防ぐことにつながっていく。
膝の構造的問題と筋肉の働きだけ考えるとこのように筋肉刺激を与えれば問題解決になる。しかし、体も個人差があり、筋肉の使い方のクセによって沢山のケースがあるので、ここで紹介した改善方法は選択しのひとつと覚えておきましょう。