当院があるのは横浜市の中区という場所になります。ここは横浜マラソンのコースが近くにあり、今年も、もうじき本番の日を迎えます。そのような環境もあってなのかランニングをしている人があきらかに増えています。スポーツを続けていると細心の注意を払っていても体に痛みを感じたり、ケガをしてしまったりすることがあります。
ランニングで体を痛める時は下半身に多くあらわれます。特に膝・すね・足底などになります。今回は膝に起きやす疾患を紹介していきます。
膝が痛いといっても疾患はひとつだけではありません。また、膝という括りの中でも痛みを感じる場所は変わってきます。おおまかに膝の内側or外側or正面に分かれます。
□内側 鵞足炎 鵞足と呼ばれる半腱様筋・薄筋・縫工筋の付着部に炎症を起こして膝の内側に痛みが出る。膝が屈伸する時に腱同士や腱と骨が擦れることで炎症が起きる。
□外側 腸脛靭帯炎(ランナー膝) 腸脛靭帯が骨と擦れ合い機械的な刺激が入ることによって炎症が起きて痛みが出る。膝の外側で起きる
□正面 膝蓋腱炎・膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝) 膝蓋骨の下あたりに痛みが出てくる。ジャンプを繰り返しする競技をしている人がなりやすい。
ここで紹介した3つの疾患に共通するものは繰り返しの機械的刺激によって痛みが出てしまうので、いわゆるオーバーユースになります。ただ、この3つが同時に起こることはほぼあり得ませんが、特定の場所に負荷をかけ続けてしまっていることが原因になるので、この部分を取り除いていかなければなりません。
現在ある痛みに対しては炎症を取り除く治療を最優先にしていくといいと思います。方法としては痛み止め・湿布・施術など色々あります。この中から体に合うものを選びましょう。治療期間中は練習を無理にやらずに体を休めます。痛みがなくなってきたタイミングで練習を再開する。当たり前のことなのですが、当事者になると気持ちにあせりなどが出たりするとついつい早期に練習を開始してぶり返してしまう人もいるので堪える事も大切です。
無理せずに痛みのない状態で大会に臨むようにしましょう。