ふるえについても度々相談を受けます。体の調子が悪くないのにふるえ時に寒さによることが一番多いと思います。このふるえにで心配になる人はいないと思います。これは体に異常が無いと分かっているからです。知っているようで知らないふるえについて知識を深めていきましょう。
ふるえは自分の意思とは関係なく小刻みな振動を繰り返す不随意筋になります。ふるえを大きく分けると生理的なもの・病気によるものになります。
生理的なものには
□寒冷振戦 寒い時に体温を保つために筋肉が収縮して起こるふるえ。
□情動振戦 恐怖や興奮などの強い感情が起こるふるえ。
□老化振戦 高齢者にみられるふるえ。
病気によるふるえ
□安静時振戦 動いていない時に起こるふるえ。パーキンソン病などに見られる。
□動作時振戦 動きに関連した時に起こるふるえ。ここからもう少し細分化されます。
- 企図振戦 ボタンを押したあとのふるえや物を取ろうとした時に起こるふるえ。小脳に原因があり、多発性硬化症・脊髄小脳変性症・脳卒中・アルコール依存症などにみられる
- 姿勢振戦 コップやお茶碗を持つなど腕y足を一定の状態に保持したと時に起こるふるえ。原因には本態性振戦・甲状腺機能亢進症などがある。
- 作動振戦 手を伸ばしたり曲げたりするような動作をする時に起こるふるえ。本態性振戦やパーキンソン病などでみられる。
このようにふるえを分かりやすように分解していくと本態性振戦とパーキンソン病がよく出てきます。ということは病気によるふるえではこのふたつをまずは知っておく必要があると言えます。
本態性振戦は原因が不明で手・頭・声のふるえが多く動作時や姿勢時に出現して早いふるえです。またふるえ以外の症状はありません。
パーキンソン病は原因が中脳の黒質という場所で神経細胞の変性によって起きる。手や足のふるえが多く安静時に出現して遅いふるえになります。その他の症状は、筋肉のこわばりや、動作の遅さ、姿勢保持障害などもあります。