急性痛と慢性痛の理解を深めよう④

急性痛と慢性痛の話を紹介し始めて数回たちましたが、世の中の痛みの大半を占めているだろう慢性痛を改善していく為にはどうしたらいいのか。

大切なことは慢性痛との向き合い方になると考えられます。

前回までに慢性痛の原因はわからないとお伝えしました。ほとんどの人が言う慢性痛の原因は記憶に残っている痛みの要因になります。当初は急性痛の原因だったかもしれませんが、この事柄が慢性痛の原因にはなることはありません。

急性痛で感じた痛みによって、様々な身体的・心理的ストレスが加わってきます。

具体例で解説すると

ギックリ腰になったとします。腰の痛みが強くて腰に痛みが出ないように背中や足に力が入り、筋肉の張り感が出て不快になったり、動くたびに強い痛みを出るので移動することがストレスになったりと痛みが無ければ気にする事もなく無意識で行っていることですらストレスになってきます。

ひとつの事柄からねずみ算方式で無数に感じたストレスの上にまた違うストレスがかぶさってきます。これが数回から数十年の年月を経て慢性痛となってくるので原因を追究することは不可能になります。

慢性痛のガイドラインでの方針とし慢性痛治療のメインになってくることはADLやQOLの向上を最大の目的とし鎮痛は副次的目的になっています。

この考え方を持てるようになると痛み自体に縛られなくなっていくので結果として鎮痛につながっていく可能性が高くなっていきます。

シンプルに考えるならば痛みがあって辛い・困るという状態から抜け出すには痛みが目的の妨げにならなければいいので痛みの入口と出口は別であっても全く問題ありません。

慢性痛に関しては原因に捉われる必要はないので入口と出口は別でも求める結果が達成できればいいのですが、急性痛で特に生命に危機のある可能性が高い場合は原因の究明が必須になるので、痛みの入口になった事に対して介入ができないといけません。

次回は慢性痛の改善の為に何をするかについて紹介していきます。

 

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