首から肩のあたりが辛ければ凝ってるから筋肉をほぐせば楽になると考える人は多いと思います。いわゆる肩こりの症状であればこの対応で特に問題ありません。
しかし、首から肩にかけて辛い時は気を付けるべき疾患もあります。
頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症などがあります。各疾患を紹介していきます。
□頚椎症性脊髄症 脊髄神経を圧迫してしまう疾患になります。脊髄とは脳から延長した円柱状の神経の束になり中枢神経の一部になります。重要な神経なので骨に囲まれ守られています。骨の内側に脊髄が通る空間なんらかの原因で狭くなってしまうと脊髄を圧迫して症状が出てきます。特徴としては痛みやしびれ・筋力の麻痺などが両側に出ることも珍しくありません。重症化すると下半身まで症状が出てきて歩行が困難になったりします。
□頚椎椎間板ヘルニア 椎間板が後方に飛び出てしまい脊髄や神経根を圧迫してしまう疾患になります。一側の肩や手の一部の領域に激しい痛みや放散痛が出現し、シビレが伴うこともあります。症状が悪化して指や手が動かしにくくなる巧緻障害や足にシビレなど出て歩行が不自由になることもあります。
□頚椎症性神経根症 脊髄から腕・手につながる神経の枝が椎間板や骨棘に圧迫される疾患になります。シビレや痛みなど感覚障害出現します。
紹介した疾患は脊髄や神経根を圧迫して症状が出現することは同じですが圧迫の起き方に違いがあり、症状の特徴も違います。
肩こりとの違いを見分けるには徒手検査を行うことでほぼ判別できますが、症状を確定させる為にはMRIを撮影する必要があります。
症状によっては手術をしなければならいケースがあります。この場合ポイントになる事は日常生活に支障をきたす障害が残らないかになります。具体的には筋肉に麻痺症状の有無が重要になり、専門医に紹介しると有の時はすぐに手術になっていました。
肩こりの症状が強いものと思っていても、実は神経の圧迫が原因のこともあるので、症状が続く場合は専門家に相談してみましょう。