腰椎椎間板ヘルニアの手術

体に痛みがある時に改善方法のひとつに手術があります。

手術をする前には、手術についての説明があると思います。

聞いて理解して、同意書にサインをするといったことは一般的に知られているはずです。

手術の目的は聞いているはずですが、手術が終わった後でこんなはずではなかったという話を聞いたりもします。

どうして、このような事が起きてしまうのか。

腰椎椎間板ヘルニアを例にして考察していきます。

手術を受けようと決心した人は、よほど痛みが強いか。しびれがあったりして、日常を送ることがつらいと想像できます。

そのような状況だと、説明を聞いていても頭に残っていない可能性も考えられますが、

一番の理由は治るの解釈のズレではないかと思います。

治るの解釈

□患者側 痛み・しびれがなくなり、日常生活が完全に元に戻ることを「治る」と考えがち。「手術すれば痛みがゼロになる」「これで完全に治るはず」と期待する人が多いです。

□医師側 手術の主目的は神経圧迫の物理的除去(decompression)で、神経が本来の位置で機能できる環境を整えること。解剖学的な正常化を目指し、症状改善は二次的・副次的な結果と位置づけている。

情報量・専門性の格差

□患者は自分の体験(n=1)や周囲の話(「友達は手術で完治した」など)を重視しやすく、最悪のケース(再発・残存痛)や平均値以下の結果をイメージしにくいです。専門用語やリスクの説明がわかりにくく、希望的解釈をしがちです。

□医師は統計データ(例:下肢痛の改善率80-90%、腰痛改善率60-80%)や長期予後、再発リスク、自然経過などを基に判断します。手術は「神経を救う」ための手段で、完治を保証するものではないと認識しています。

疾患の特性(特に腰椎椎間板ヘルニア)

□ヘルニアは自然吸収・縮小するケースが多く、手術をしなくても改善する人がいます。一方、手術しても腰痛の根本原因(椎間板変性、筋・姿勢の問題、心理社会的因子)が残るため、症状が100%消失しないことが多いです。

□医師はこれをよく知っているので、「神経圧迫除去で下肢症状はかなり良くなるが、腰痛は残る可能性がある」と説明します。

□患者は「ヘルニア=痛みの原因」と単純に捉え、手術ですべて解決と期待してしまうため、ギャップが生じやすいです。

このような事が根底にあるのではないかと思います。

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