足の裏に痛みを感じる。
原因はいろいろ考えられますが、今回は足の裏の筋肉や筋膜がきっかけになっている痛み足底筋膜炎について話を進めていきます。
足底筋膜炎は、足の裏側を覆う厚い繊維組織である足底筋膜が炎症を起こす疾患です。
この筋膜は、かかと骨から足の指の付け根までを弓状に張り、足のアーチを支え、歩行時の衝撃を吸収する役割を果たします。
特に朝の最初の数歩や長時間立った後に、かかとや足底中央部に鋭い痛みが生じます。
ランナーや長時間立ち仕事をする人に多く、30~60歳代で発症しやすいです。
人口の約10%が生涯に一度は経験すると推定されます。
条件が揃うと意外と多くの人がなりやすいといえるのではないでしょうか。
主な原因は足底筋膜への過度な負荷になります。
□バイオメカニカル要因 扁平足・高アーチ・足関節の可動域制限・ふくらはぎ筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の硬さ。
□生活習慣 急激な運動量増加、硬い床での長時間立ち仕事、不適切な靴(クッション不足や古い靴)。
□その他 肥満、加齢による組織の弾力性低下、糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患。
症状
朝起床時の最初の数歩でのかかと痛(「最初の歩き出し痛」)。動きている時は軽減するが、立ち仕事など動かない時間が長くなると再び痛みを感じ出す。
痛みの症状は刺すような、焼けるような痛み。足底中央部や内側に放散することもある。
足のアーチ部の圧痛、歩行時の跛行(びっこ)。重症化すると夜間痛や安静時痛も出てくる。
治療
□初期対応(急性期:発症~2週間)安静・荷重軽減・痛みを誘発する活動を制限し、歩行時はクッション性の高い靴やインソール使用する。
ほとんどの場合、痛みも順調に消失していきます。
まれに痛みが長引き難治性になることもある。
生活習慣と密接に関係する部位でもあるので、
□ストレッチ ふくらはぎストレッチ:壁に手をつき、患側足を後ろに引いて30秒×3回/日。
□足趾タオル寄せ 床のタオルを足指で引き寄せる。バランスボードやシングルレッグスタンスで足内在筋強化。
足のケアを続けていくことで予防にもなります。

















