前回は腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の違いについて話を進めました。
このふたつは腰痛の中でも話題に上がりやすいものだと思います。
それは、この疾患によって悩んでいる人が少なくないからではないでしょうか。
似たような症状で悩む人が多ければ、情報量も多くなりたくさんの人がその事に対して知識をつけていきます。
前回、紹介した疾患の他で多い腰痛に筋筋膜性腰痛があります。
おそらく、腰痛の要因として、これに当てはまるものが一番多いのではないかと思います。
そこで筋筋膜性腰痛を解説していきます。
筋筋膜性腰痛は、腰部の筋肉や筋膜に「トリガーポイント」と呼ばれる過敏な点が生じることで引き起こされる痛みです。
トリガーポイントは、筋肉内の硬結(筋肉が硬く縮こまった部分)で、触れると痛みを感じたり、離れた部位に放散痛を引き起こしたりします。
この症状は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの構造的問題とは異なり、筋肉や筋膜の機能障害が主な原因です。
急性(短期間)または慢性(3か月以上続く)に分類されます。
治療方法
□ストレッチや運動療法 腰部や骨盤周囲の筋肉をほぐすストレッチや筋力を強化する軽い運動(例:コアトレーニング)が効果的。
□物理療法 温熱療法(ホットパック)やマッサージで筋肉の緊張を和らげる。超音波療法や電気刺激も使用される場合がある。
□薬物療法 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬で痛みや炎症を軽減する。慢性の場合、抗うつ薬や抗けいれん薬がトリガーポイントの管理に役立つこともある。
□トリガーポイント療法 深部組織マッサージでトリガーポイントをほぐす。
□トリガーポイント注射 局所麻酔薬やステロイドをトリガーポイントに直接注入する。
□鍼治療:鍼でトリガーポイントを刺激し、筋肉の緊張を緩和する。
□生活習慣の改善 正しい姿勢の維持、エルゴノミクスに基づいた椅子やデスクの使用、定期的な運動が推奨される。
□心理的アプローチ ストレスが関与する場合、認知行動療法やリラクゼーション技法(例:瞑想、ヨガ)が有効。
いろいろな方法で効果が期待出来るのでご自身に合う方法をみつけていきましょう。