特定機能食品と聞いてピントこなくても、トクホと聞いたら知っているとなるのではないかと思います。
一般の人がトクホについて、どれくらい知っているのか。
いろいろな調査が行われているようですが、「トクホ=体にいい」細かい内容は知らない人が多いようです。
トクホについて理解しつつ、機能性表示食品との違いもチェックしておきましょう。
特定保健用食品は、1991年に始まった日本独自の制度で、健康の維持増進に役立つことが国の審査で科学的に証明された食品です。
通称「トクホ」と呼ばれ、パッケージに「トクホマーク」(緑色の矢印マーク)が付いています。
トクホの表示の種類(主な4パターン)
□疾病リスク低減表示(最も厳しい基準)
例
「カルシウムは骨の健康を保ち、骨粗鬆症になるリスクを低減する」
現在許可されているのはカルシウムと葉酸のみ
□体調の維持・改善表示(最も多い)
「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」
「体脂肪が気になる方に」
「おなかの調子を整える」
□特定の保健の用途に適する表示
「歯の健康維持に役立つ」
「コレステロールの吸収を抑える」
□条件付き特定保健用食品(2020年~)
科学的根拠のレベルがやや弱い場合でも、条件付きで許可
「体脂肪が気になる方に(ただし、限定的な科学的根拠に基づく)」
【メリット】
- 国の厳しい審査を通っているので信頼性が高い
- 効果が科学的・客観的に証明されている
- 健康被害が起きた場合、国が責任を持って対応
【デメリット】
- 審査に時間がかかるため、新しい成分がなかなか出てこない
- 開発コストが高い → 商品価格が高め
- 表示が「~に適する」「~が気になる方に」と曖昧な表現になりがち
トクホと機能性表示食品の大きな違い
| 項目 | 特定保健用食品(トクホ) | 機能性表示食品 |
| 国の審査 | あり(消費者庁が個別に審査) | なし(事業者が届け出のみ) |
| 表示できる内容 | 「おなかの調子を整える」「体脂肪が気になる方に」など | 「GABAはストレスを軽減」「ルテインは目の健康に」など |
| 許可にかかる期間 | 1~2年以上 | 60日前の届け出でOK |
| 安全性・有効性の保証 | 国が認めたレベル(最も高い) | 事業者責任(国は関与しない) |
| 価格 | 高い傾向 | 比較的安い |
| 商品数(2025年現在) | 約1,200品目 | 約8,000品目以上 |
トクホの効果は「生活習慣病を予防するツール」としてはかなり優秀だが、
「生活習慣病を治療するツール」としてはほぼ無力と思って利用することが望ましい。

















