免疫が体に対して、どのように役に立っているのかは前回、解説しました。
免疫が適正に働くためには何を意識すればいいのか。
いくつか紹介をしていきます。
① 良質な睡眠(7〜8時間)
睡眠不足はNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性が30〜70%低下することが複数の研究で確認されています。特に深いノンレム睡眠中にインターロイキンや成長ホルモンが分泌され、T細胞の分化・記憶が促進されます。22〜2時の間に深い睡眠を取ることが理想です。
② 腸内環境の整備
免疫細胞の約70%は腸に存在します。食物繊維(プレバイオティクス)と発酵食品(プロバイオティクス)を毎日摂取することで、短鎖脂肪酸(酪酸など)が産生され、制御性T細胞(Treg)を増やし、過剰免疫を抑えます。おすすめは、納豆・味噌・キムチ・ヨーグルト+野菜・海藻・きのこ・豆類の組み合わせです。
③ 適度な運動(週150分の中強度)
ハーバード大学の長期研究では、週150〜300分の中強度有酸素運動(早歩き程度)で風邪の罹患率が約50%減少することが示されています。逆に過度な高強度運動(マラソン直後など)は一時的に免疫を低下させるので注意が必要です。
④ ストレス管理
コルチゾール(ストレスホルモン)が長期的に高いと、リンパ球が減少し、ヘルパーT細胞のバランスが崩れます。マインドフルネス瞑想や深呼吸、森林浴などで副交感神経を優位にすることが効果的です。1日5〜10分の瞑想だけでもNK細胞活性が上昇した研究があります。⑤ 栄養バランス(特に5大栄養素)
・ビタミンD:日本人の8〜9割が不足。1日2000〜4000IUの摂取で上気道感染リスクが約40%低下(メタ解析結果)
・ビタミンC:1日500〜1000mgで風邪の期間短縮効果
・亜鉛:1日15〜30mgでウイルス複製抑制
・タンパク質:1日体重1kgあたり1.2〜1.6g(免疫グロブリン合成に必要)⑥ 過度な抗菌・除菌をやめる
過剰なアルコール消毒や抗生物質の乱用は善玉菌まで殺し、免疫の「訓練」を妨げます(衛生仮説)。石けんでの手洗いは十分で、日常空間の除菌スプレーは控えめにする。
これらをまずは3ヶ月続けてみましょう。
多くの人が身体の変化を実感することが多いです。

















