何か問題を解決するには自分自身が意識して行動しないといけません。
その意識を具体的に解説するのに役立つのが顕在意識や潜在意識になります。
そこで顕在意識について話を進めていきます。
顕在意識は、人が意識的に認識し、意図的に操作できる心のプロセスを指します。
具体的には、思考、注意力、意思決定、問題解決、自己認識などがこれに含まれます。
例えば、目の前の文章を読み、内容を理解しようとすることや、明日の予定を立てるために考えることは、顕在意識の働きです。
心理学では、顕在意識を「意識の表面」として、氷山の一角に例えられることが多く、心全体の約10%を占めるとされます。
顕在意識の特徴
□論理的・分析的 顕在意識は論理や理性に基づいて情報を処理します。例えば、数学の問題を解くときや、計画を立てるときに働きます。
□限られた容量 顕在意識は一度に処理できる情報量が限られています。心理学では、短期記憶の容量は7±2項目程度(ミラーの法則)とされています。
□時間的制約 顕在意識は現在や直近の出来事に焦点を当て、過去や未来の情報は記憶や想像を通じて間接的に扱います。
□自己認識 自分が「何を考えているか」「何を感じているか」を自覚できるのは、顕在意識の領域です。
□エネルギー消費 顕在意識を使った活動(例:集中して勉強する、複雑な問題を解く)は、脳のエネルギーを多く消費します。
日本文化では、顕在意識に関連する概念が「意識」や「理性」として、武道や茶道、書道などで重視されます。
例えば、茶道の「一期一会」は、顕在意識をフルに使ってその瞬間に全集中することを表します。
また、禅の瞑想では、顕在意識を静め、潜在意識の直感的な洞察を引き出すことが目指されます。
顕在意識は、論理的思考、意思決定、自己認識を司る心の領域で、前頭前野を中心に脳の複数の領域が関与します。
限られた処理能力やエネルギー消費の課題はあるものの、計画や問題解決、学習の初期段階で不可欠です。

















