運動していても、していなくても、誰でも足首を捻ってしまった経験はあるのではないでしょうか。
足首を捻るといってもパンパンに腫れて歩くことも難しいものから少しだけ体重が乗ってしまい痛み感じた程度のものまで重症度は幅が広いです。
足首を捻ることを足関節捻挫といいます。
この時に痛める箇所は靭帯が多いのですが、まれに腱脱臼を引き起こすこともあります。
その一例に腓骨筋腱脱臼というものがあるのでこちらを紹介していきます。
聞いたことが無い人がほとんどだと思いますが
腓骨筋腱脱臼は、足首の外側にある腓骨筋腱が通常の位置から外れ、腓骨の外側にずれる状態のこといいます。
主な原因
足首の急激な内反(足首を内側にひねる動き)や背屈(つま先を上げる動き)が原因で、腱を固定する腱鞘や支持組織(腓骨筋支帯)が損傷し、脱臼が起こる。
スポーツ(サッカー、バスケットボール、スキーなど)や転倒、事故による強い衝撃で発生しやすい。
症状
□足首外側の痛み 特に運動時や足首を動かす際に、腓骨の後ろや外側に鋭い痛みや不快感が生じる。
□クリック感や弾ける感覚 腱が腓骨の上を滑る際、ポップ音やクリック感を伴うことが多い。
□不安定感 腱が脱臼することで足首の安定性が低下し、ぐらつきを感じる。
□腫れや内出血 急性期には腱周辺に軽い腫れや青あざが出現。
□運動制限 足首の外反や背屈が痛みで制限される。
□繰り返す脱臼 急性期を過ぎても、腱が繰り返し脱臼する(習慣性脱臼)場合、慢性的な痛みや不安定感が続く。
予後
□保存的治療の場合 適切な固定とリハビリで、軽度の脱臼は6~12週間で回復することが多い。ただし、再発リスクがある。
□外科的治療の場合 手術後のリハビリが成功すれば、良好な予後が期待できる。スポーツ復帰には6か月以上かかる場合もある。
合併症: 放置や不適切な治療では、慢性的な脱臼、腱の変性、関節炎、足首の不安定性が発生する可能性ある。
腓骨筋腱脱臼は適切な診断と治療で回復可能な疾患ですが、早期対応が鍵です。
症状が続く場合や繰り返す場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。