手の指を曲げた時に曲がったまま自力で指を伸ばせないとなっている人はいるでしょうか。
もし、初めての経験なら指が動かないとなれば大事ですが、この症状はわりと多く人がなっていたりします。
自力で指を伸ばせなくても、もう一方の手を使えば伸ばすことができます。
この時に痛みをある人とない人がいます。
このような状態になることをばね指(弾発指)といいます。
このようになってしまう原因は
指を頻繁に使う作業(例:タイピング、編み物、スポーツなど)や、同じ動作を繰り返すことで腱や腱鞘に負担がかかり、
炎症や肥厚が生じ、指を曲げたり伸ばしたりする際に腱(屈筋腱)とその通り道である腱鞘がスムーズに動かなくなることで発生します。
その他には関節リウマチや糖尿病の炎症性疾患や加齢・外傷・遺伝などもあります。
特に親指や中指、薬指に多く見られます。
症状は指を動かす時の引っかかり・指の付け根(特に手のひら側)に痛みや圧痛・指が曲がったまま動かなくなる(ロック状態)や逆に伸ばしたまま動かせなくなる場合もある。
症状の程度によりだいぶ印象が変わります。
軽度の時は日常生活に支障をきたす事はありませんが、重度になると支障をきたす事もあります。
このような事を踏まえると軽度の段階で放っておかずに治療を開始することが望ましいと思います。
ばね指の治療は、症状の重症度や原因に応じて保存的治療と外科的治療に分けられます。
まずは保存的治療から治療を始めます。
内容は副子を使って指を固定し、安静を保つことが効果的です。特に夜間の固定が有効です。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、例:ロキソニンなど)や湿布で炎症や痛みを抑えます。
局所ステロイド注射は、腱鞘の炎症を軽減する効果が高く、約60~80%の患者で症状改善が見られます。
ただし、ステロイド注射は繰り返し行うと腱の弱化リスクがあるため、2~3回以内に制限されることが一般的です。
温熱療法や超音波療法で血流を改善し、炎症を軽減を狙う方法もあります。
早い改善が見込めやすいのは薬物療法だと感じます。
保存的治療で改善しない場合や、指が完全にロックする重症例では手術が検討されます。
局所麻酔下で日帰り手術が可能な場合が多く、成功率は90%以上と高いです。