遷延治癒と偽関節

程度によりますがケガをしても一般的には時間経過と共に元の状態に戻り治っていきます。

これは骨折でも同じことが言えます。

しかし、骨折した部分が治癒するのに想定より時間がかかることもあり、

これを遷延治癒といいます。

また、残念ながら骨折した部分が骨癒合しなかったものが偽関節と呼ばれます。

この違いは何で決まるのか。

治癒の可能性

□遷延治癒 骨癒合が遅れているが、適切な治療(固定の改善、栄養補給、感染のコントロールなど)により骨癒合が達成される可能性がある。
□偽関節 骨癒合の可能性がほぼ失われ、骨折端が線維性組織や軟骨でつながれた状態。自然治癒は期待できず、外科的治療(骨移植、プレート固定、骨延長術など)が必要。

 

期間

□遷延治癒 骨折部位や骨の種類にもよるが、通常の治癒期間(3~6か月)を超えても癒合が進行中である状態。
□偽関節 通常、骨折後6~9か月以上経過しても骨癒合が確認できない場合に診断される。明確な時間基準は骨折部位による。

画像所見

□遷延治癒 X線やCTで骨折端に骨形成の兆候が見られるが、完全な骨橋形成に至っていない。骨折線はまだ明瞭である場合が多い。

□偽関節 X線で骨折端の硬化(骨端が滑らかになる)、偽関節腔の形成、異常な可動性が確認される。骨折線が持続し、骨癒合の兆候が乏しい。

 

臨床症状

□遷延治癒 骨折部位の圧痛や軽度の可動性が残るが、機能障害は軽度であることが多い。
□偽関節 骨折部位に異常な可動性、持続的な疼痛、変形、機能障害が顕著。感染性偽関節では発赤や腫脹、排膿が見られる場合もある。
□遷延治癒の予防
適切な初期固定(ギプスや内固定)と安定性の確保。
栄養管理(カルシウム、ビタミンD、タンパク質の十分な摂取)。
喫煙の禁止や糖尿病の適切なコントロール。
感染予防のための創管理と抗菌薬の適切な使用。
□偽関節の予防
遷延治癒の早期発見と治療(定期的な画像評価)。
血流の確保(骨折部位の血行を損なわない手術手技)。
不適切な固定や早期の過度な負荷を避ける。
偽関節を避けるためにも初期の対応が大切になります。

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