膝が痛くなって困ることは歩くのがつらいなど移動に支障が出てしまうことです。
膝の痛み方にもいろいろあり、痛みによって膝が曲がらないなど理由は沢山あります。
痛みを改善していくには、保存療法と手術療法のふたつがあります。
多くは保存療法で対応できますが、膝の状態によっては手術が必要になる場合もあります。
手術が選択されることがある主な疾患を紹介します。
□変形性膝関節症 膝の軟骨がすり減り、骨同士が擦れることで痛みや腫れが生じる状態。進行すると人工関節置換術などの手術が検討される場合があります。
□半月板損傷 膝のクッションである半月板が裂ける疾患。スポーツや加齢で発生しやすく、症状が重い場合や保存療法で改善しない場合に内視鏡手術(関節鏡手術)が考慮されます。
□前十字靭帯断裂 膝の安定性を保つ靭帯が断裂するケガ。スポーツ選手に多く、再建手術が必要になる場合があります。特に膝が不安定で日常生活に支障が出る場合に検討されます。
□後十字靭帯損傷 前十字靭帯と同様に膝の靭帯損傷の一種。単独での手術はまれですが、他の構造損傷と合併している場合に手術が選択されることがあります。
□膝蓋骨脱臼 膝のお皿(膝蓋骨)がずれる状態。繰り返す場合や靭帯損傷を伴う場合に手術(例えば靭帯再建や骨の調整)が考慮されます。
□骨壊死 膝の骨に血流が途絶え、骨が死んでしまう状態。進行すると関節置換が必要になることがあります。
□軟骨損傷 膝の軟骨が部分的に欠ける場合。軽度なら保存療法で済むこともありますが、広範囲だと軟骨移植や再生治療を伴う手術が選択肢に上がります。
疾患によって手術方法が違いますが、術後の一般的な流れは
□術後すぐ 痛み管理と軽い運動(関節可動域訓練)
□1~6週間 歩行補助具を使いながら移動開始
□6週間以降 筋力トレーニングや日常生活への適応
□数か月後 通常の生活や趣味への復帰
個別のことは、手術前に医師や理学療法士から説明されるので、よく話を聞いて理解しましょう。