前回は非線形の話を理解するために、バタフライ効果やカオス理論を知ると役に立つといった内容に締めくくりました。
このふたつ概要を押さえていきましょう。
バタフライ効果は、初期条件の微小な変化が長期的には大きな影響を及ぼす現象になります。
よくあるたとえ話では「ブラジルで蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」
日本でいえば「風が吹くと桶屋が儲かる」もありませす。
どちらの話も何でもないようなことでもいろいろな事が巡り巡って予測できないよう起こります。
このたとえ話を結論から始まり(原因)を見つけましょうといった場合、
テキサスで竜巻を引きおこすからブラジルの蝶が羽ばたいたからにつながるでしょうか。
また、桶屋が儲かるから風が吹いたにつながるでしょうか。
最初のエピソードにたどり着く前にきっかけが分かったとなるかもしれません。
結論から原因を探ることは世の中のどんな時でも行われているので
最終的に正解が分かるものとして捉えているかもしれませんが、
99%原因にたどりつくことはできないでしょう。
原因と思っていたことはほぼ勘違いだったということになります。
この話を慢性痛に当てはめると見事に当てはまる話になります。
慢性痛は原因が分からなくても症状が消失することがあります。
この経験をしたことが無い人はいないと思います。
カオス理論とは、物理学や数学の分野で研究される現象で、非常に複雑で予測不可能なシステムの挙動を説明する理論になります。
非線形微分方程式・フェイズスペース(位相空間)・ストレンジアトラクタ・リヤプノフ指数(Lyapunov Exponent)・フラクタル次元・ポアンカレ写像(Poincaré Map)
このようなことが経済学・医学・心理学・天文学・技術開発などの分野にいかされています。
このような概念を知っていると慢性的な痛みに対してより理解が深まっていくと思います。