急性痛と慢性痛の話を続けてきました。
今回は捻挫を題材にして急性痛と慢性痛の話を交えて進めていきます。
捻挫とは関節に無理な力が加わり本来の可動域以上に可動してしまうことで、
関節を構成している靭帯や腱などの軟部組織を損傷することをさします。
捻挫で多い部位は足首・手首・手指・膝などになります。
捻挫の重症度は三段階であらわし、「1度(軽度)」「2度(中度)」「3度(重度)」の3つのレベルに分けます。
症状は痛みを中心に腫れや熱感・皮下出血があります。
捻挫をした時に感じる痛みは急性痛になります。
原因がはっきりしていて、痛みの根源を特定できるからです。
痛みを改善するためには、損傷している箇所を回復させる必要があります。
そのためには受傷後に素早い処置をすることで回復のスピードが変わるので放っておかずに
専門家に一度は診てもらいましょう。
ここには深い理由があります。
軟部組織を順調に回復させることができれば、痛みも順調に消失していきます。
しかし、ここで手間取ってしまうと軟部組織は回復している状態になっても
痛みが残ってしまい慢性痛に移行するおそれもあります。
このおそれを少しでも減らすために受傷後の処置は素早くすることが大事になります。
それでも軟部組織が回復した後になっても痛みを感じる人もいます。
俗にいう古傷が痛むという表現をする人が多いです。
聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
古傷とは以前にケガをした箇所になります。
ケガをした箇所は治っているにもかかわらず痛みを感じる。
典型的な慢性痛に出現のしかたになります。
慢性痛は原因がはっきりとわからないけれど痛みは感じる状態でした。
まさに古傷は慢性痛の条件を揃えているので理解しやすいのではないでしょうか。
痛みは拗らせないことが鉄則になります。
これは骨折・脱臼・肉離れなどのケガでも同様のことがありえます。
生活と痛みは切って切れない部分もあるので上手に付き合っていきましょう。