ここ最近はスポーツ少年たちが立て続けに来院していました。肉離れや膝の痛みを抱えていたのですがケガの時に役立つのが超音波エコーになります。これを使用して身体の内部をを観察できることによって、施術を継続していいのか。それとも紹介をおこなうべきかの判断がしやすくなります。また、ケガの回復の経過を追うことができるので復帰時期の判断にも活躍します。
今回は超音波エコーを活用した事例をひとつ紹介しながら話を進めていきます。
疾患名はオスグッド・シュラッター病になります。膝のお皿の下にある骨が隆起して痛みがでるものになります。一般的には成長痛と呼んでいることも多いと思います。成長期に起きやすいスポーツ障害のひとつになり、サッカーや陸上・バレーボールなどボールを蹴ったり、ジャンプをしたりする競技でよく起こります。痛みの感じ方は個人差がものすごく強い印象ですが15歳を超えてくると自然と症状も治まってきます。
原因は膝を伸ばす力の繰り返しによって脛骨結節が引っ張られ、成長期の骨にある軟骨の層(成長軟骨部)が剥離することで起こります。膝の曲げ伸ばしは太もも前面の筋肉によって行われており、この筋肉は膝の皿に付着する腱を介して脛骨結節を引っ張っています。そこで過剰な負荷がかかると症状が出現します。
スポーツをしている子が多いのでプレーと痛みの兼ね合いで悩むことが少なくないのですが、このような時に超音波エコーで観察して、経過を追っていると炎症反応と痛みの関係を個別に判断しやすくなります。もちろん、炎症反応が消失していれば迷わず競技に復帰することが可能になります。大会や大会前であれば何とかして出たいと思っているのが当事者です。その時に炎症があったとしても痛みを感じていなければ何をして何をしないのか。具体的な対策器質的な部分も含めて判断が可能になるのでリスくを最小限にしながらギリギリの調整を行える可能性が高くなります。
いざという時のために、一定のリズムで身体のケアをしておくことは重要になります。