前回は間欠性跛行と考えられる疾患について紹介をしました。間欠性跛行は意外と知っている人が多いようですが、腰が関係しているといった知識にとどまっている人も少なくないので間欠性跛行が出る疾患について知識を深めていきましょう。
前回も紹介していますが3つの疾患が間欠性跛行がある代表的なものになります。それは腰部脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症・閉塞性血栓血管炎になります。
ここでは腰部脊柱管狭窄症について話を進めていきます。この疾患名は一般の方でも腰に不安を抱えていると知っていることが多いです。
腰部脊柱管狭窄症がどんな病態のものなのか。脊椎(腰の骨は脊椎の中のひとつ)には脊柱管と呼ばれる場所があります。ここはトンネルのようになっていてこの空間に脊髄が通っています。脊柱管が何かしらのきっかけによって狭くなってしまうこともあります。狭くなった場所で脊髄を圧迫してしまうと圧迫している場所か先に腰の痛み・足の痛みやシビレが出現します。
圧迫の場所によって病態が変わります。
□馬尾型 両足にシビレや脱力感などが現れる
□神経根型 主に片方の足に痛みやシビレが現れる
□混合型 上記の両方が現れることがある
症状は痛みよりもシビレのほうが強いと言われています。また代表的な症状に間欠性跛行があります。このような症状の訴えがあると確定診断をするために、画像検査を行います。これはレントゲンではなくMRIや脊髄造影検査になります。脊柱管で脊髄の圧迫が確認できると腰部脊柱管狭窄症の診断がくだされます。
脊柱管で圧迫している場所が自然に治るということはありません。これは構造的な観点で圧迫が取り除かれることはないということで体で感じている痛みやシビレは軽減したり、消失することはあります。このことからも始めは保存療法で経過をみていくことがほとんどになります。
稀に即手術を行うケースもありますが、この時は排尿障害などが出てしまって日常生活を送ることが困難と判断された場合になります。