すり傷や切り傷を作ってしまった時に、傷絆創膏を貼る人は多いと思います。
最近では、この選択肢の他にモイストヒーリングに対応した商品を使うこともあると思います。
モイストヒーリングでピンとこなければ、バンドエイド キズパワーパッド・ケアリーヴ 治す力・FC モイストヒーリングパッド・ハイドロウェットα・キズクイックと聞いたら分かるでしょうか。
モイストヒーリングとは湿潤療法のことを指します。
1960年代から蓄積された多数の基礎研究・臨床研究によって確立されており、現在では世界的に標準的な創傷治療の原則となっています。
何が分かったのかというと「傷は乾燥せるよりも、湿潤のほうが治りが早い」ということです。
| 効果 | 主な科学的根拠 | 具体的な数字・結果の例 |
| 治癒速度の向上 | Winter以降の多数の動物実験・ヒト試験、メタアナリシス | 湿潤環境で治癒が50%前後速くなる(多くの研究で40–100%向上) |
| 上皮化(新しい皮膚の形成)の促進 | ケラチノサイトの移動・増殖が湿潤で活性化 | 乾燥時より2倍近く速い上皮化(Winter 1962ほか) |
| 炎症の軽減・短縮 | 乾燥による組織損傷・炎症反応が抑えられる | 炎症期間が短く、強度も弱い |
| 瘢痕(傷跡)の減少 | 再生がスムーズで線維芽細胞の過剰反応が少ない | 瘢痕形成が有意に少ない(特に浅い創傷) |
| 感染率の低下(適切な管理下) | 浸出液中の免疫因子・好中球が活性化、壊死組織が自然に溶ける | 多くのRCTで乾燥療法より感染率が低いか同等 |
| 疼痛の軽減 | 神経終末が乾燥・かさぶたに刺激されない | 患者報告で有意に痛みが少ない |
気をつける点は傷ならすべて適応でなはく、主に浅い~中等度の急性創傷(擦過傷、切り傷、軽度熱傷)や一部の慢性創傷になります。
以下のような場合は湿潤療法だけでは不十分・危険なことがあります。
□明らかに感染している傷(膿・強い赤み・発熱)
□深い損傷(筋肉・腱・骨が見える)
□大量出血が続く傷
□異物が深く入り込んだ傷
□免疫不全・糖尿病コントロール不良の重症例
これら専門的な治療が必要になってきます。
日常生活の軽い傷であれば、市販の湿潤療法対応絆創膏(キズパワーパッドなど)で十分効果が期待できます。

















