自己免疫疾患は100種類以上存在していると言われてます。
これだけの種類があると多いものから少ないものに分かれます。
今回は多いもののひとつの全身エリテマトーデスを紹介していきます。
全身性エリテマトーデスは、主に若い女性(特に20~40歳)に多く発症する自己免疫疾患で、男女比は約1:9と女性に圧倒的に多いです。
症状は個人差が大きく、全身にわたる多様な影響を及ぼします。
症状は軽度から重度まで幅広く、時期によって変動します(寛解と再燃を繰り返す)。
以下は主な症状になります。
□皮膚症状 顔に蝶形紅斑(鼻と頬に広がる赤い発疹)、光過敏症(日光で発疹が悪化)、円形の紅斑、脱毛。
□関節症状 関節痛や関節炎(特に手足の小さな関節)、朝のこわばり。
□全身症状 発熱、倦怠感、体重減少。
□臓器障害 腎臓 ループス腎炎(腎機能障害、蛋白尿、血尿)。
□心臓・肺 心膜炎、胸膜炎、肺の炎症。
□神経系 頭痛、けいれん、精神症状(うつや不安)。
□血液 貧血、血小板減少、白血球減少。
□その他 口腔潰瘍、リンパ節腫脹、レイノー現象(寒冷時に手指が白く冷たくなる)。
治療は、症状の重症度や影響を受ける臓器に応じて個別化されます。
完治は難しいですが、症状のコントロールと臓器障害の予防が目標になります。
適切な治療で多くの場合、日常生活を維持できます。
しかし、臓器障害や感染症のリスクがあるため、定期的な医師の診察が必要です。
妊娠を希望する場合、疾患が安定している時期に専門医と相談することが重要です。
近年、診断技術や治療法の進歩により、予後は大きく改善していますが、ループス腎炎や重度の臓器障害がある場合は注意が必要です。
日常生活では
症状の変化に注意し、疲労や発熱が続く場合は早めに受診する。
信頼できる情報源(日本リウマチ学会や患者支援団体)から最新情報を得る。
家族や患者会のサポートを受け、精神的な負担を軽減する。