ネイルと聞けば爪に装飾をしておしゃれをするといったイメージは知れ渡っていると思います。
おしゃれをすることによって、気分がよくなったり、満足度を得たりと精神面で良い影響をもらします。
ネイルをしている人は高齢者になる前の年代の人達のイメージが強いと思います。
しかし、2020年代くらいから福祉ネイルといって、
高齢者や障害者などの要介護者・要支援者を対象とした、特別に工夫されたネイルケアのサービス広がりを見せています。
福祉ネイルの最大の目的は、爪のトラブルを防ぎ、感染症や怪我を未然に防ぐことです。
高齢者は爪が硬く伸びやすく、巻き爪や陥入爪になりやすいため、放置すると痛みや歩行障害を引き起こします。
また、障害者の方は自分で爪を切れず、介護者の負担も増大します。
福祉ネイルはこれを解決し、身体的なケアを提供します。さらに、精神的な効果も大きいです。
ネイル施術は触れ合いを通じて孤独感を和らげ、自己肯定感を高めます。
「ハンドタッチセラピー」の一形態として位置づけられ、介護の現場で「非薬物療法」として推奨されています。
特徴と施術内容福祉ネイルの施術は、通常のネイルとは異なり、安全性と簡便さを優先します。
□道具の工夫 電動ヤスリや柔らかいファイルを使い、痛みを最小限に。爪切りは避け、削る方法で皮膚を傷つけない。
□時間と環境 1回15〜30分程度で、ベッドサイドや車椅子対応。感染予防のため、使い捨てツールや消毒を徹底。
□デザインの簡素化 派手なアートはせず、透明クリアや淡い色塗りを中心に。爪の強化剤を塗布し、割れを防ぐ。
具体的な施術フロー
□爪の観察(変形や感染のチェック)。
□爪の整え(長さを調整し、角を丸く)。
□保湿とコーティング(乾燥防止)。
□簡単なデコレーション(シールやラメで気分転換)。
これにより、爪の健康だけでなく、手の血行促進や関節の柔軟性向上も期待されます。
費用は1回1,000〜3,000円程度で、介護保険の適用が可能になる場合もあります。
対象者と適応症主な対象は、65歳以上の高齢者や身体・知的障害者です。