バレリュー症候群と自律神経失調症の違い

体につらい症状が出ている時は、何かしらきっかけがあったり、原因があったりします。

仮に原因が同じでなくても、つらい症状が似ていることもあります。

このようなパターンのひとつにバレリュー症候群と自律神経失調症があります。

この疾患名を聞いたことがあるのかはわかりませんが、こちらを例にして話を進めていきます。

バレリュー症候群と自律神経失調症は、どちらも自律神経系の異常に関連するが、原因とアプローチが異なります。

バレリュー症候群は、主に頸椎(首の脊椎)の異常、特に頸椎の不安定性や変形、頸部外傷(むち打ちなど)が原因で、頸部交感神経(特に星状神経節)に影響を及ぼすことで生じる症候群になります。

頸部の構造的問題が自律神経系や血流に影響を与え、多様な症状を引き起こすとされます。

症状

□頭頸部症状 頭痛、後頭部痛、めまい、耳鳴り、視力障害(かすみ目など)。

□自律神経症状 動悸、発汗異常、顔面のほてり、疲労感。

□その他 肩こり、首の痛み、集中力低下、記憶障害、不安感。

これらの症状は、頸椎の異常が交感神経を刺激し、脳や頭部への血流障害(特に椎骨動脈の影響)を引き起こすことで発生すると考えられています。

自律神経失調症は、自律神経系(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れることにより、全身にわたる多様な症状が現れる状態を指す。

特定の器質的疾患(臓器の構造的異常)がなく、ストレスや生活習慣の乱れが主な原因とされる。

日本では比較的広く使われる診断名ですが、医学的に明確な定義が曖昧でもある。

症状

□身体的症状 動悸、息切れ、めまい、頭痛、倦怠感、睡眠障害、消化不良、便秘や下痢、冷や汗。

□精神的症状 不安感、イライラ、集中力低下、うつ症状。

□その他 体温調節障害(手足の冷えやほてり)、食欲不振。

違いのまとめは以下になります。

バレリュー症候群                   自律神経失調症

原因

頸椎の構造的異常(外傷、変形など)        ストレス、生活習慣、ホルモン変化など

主な症状

頭痛、めまい、耳鳴り、頸部痛、自律神経症状    全身の多様な症状(動悸、倦怠感、不安など)

診断

頸椎の画像検査、神経学的検査           除外診断(他の疾患がないことを確認)

治療

頸椎へのアプローチ(理学療法など)        生活習慣改善、心理療法、薬物療法

病態

頸部交感神経の刺激による局所的影響        自律神経全体のバランス異常

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