肩の関節は球関節といっていろいろな方向に動きやすくなっています。
だから、肩を回したり、上げたりすることができます。
逆をいえば、動きやすい分、不安定さとも隣り合わせになります。
そして、肩関節の不安定さで調子を悪くすることもあります。
肩関節が不安定になり、症状が出現するものにルーズショルダー(肩関節不安定症)があります。
これについて話を進めていきます。
ルーズショルダー(loose shoulder)とは、肩の関節が通常よりも不安定で、関節の可動域が過剰に広い状態を指します。
医学的には「肩関節弛緩症」や「肩関節不安定症」とも関連し、肩の脱臼や亜脱臼が起こりやすい状態を包含する場合があります。
主な原因
□先天的な要因 生まれつき関節が柔らかい人や、結合組織が緩い(例:エーラス・ダンロス症候群などの遺伝性疾患)場合、肩関節が不安定になりやすいです。
□外傷 過去に肩の脱臼や亜脱臼を経験した人は、関節を安定させる靭帯や軟骨(関節唇)が損傷し、ルーズショルダーを発症する可能性があります。
□反復動作 水泳、テニス、バレーボール、野球など、肩を大きく動かすスポーツを長期間行うことで、関節包や靭帯が過剰に伸張することがあります。
□筋力不足 肩周りの筋肉(特に回旋筋腱板)が弱い場合、関節の安定性が低下し、ルーズショルダーを助長します。
症状
□肩の不安定感 肩が「外れそう」または「ぐらつく」感覚。
□痛み 特に肩を大きく動かしたときや、特定の動作(投げる、持ち上げるなど)で痛みが生じる。
□クリック音や違和感 肩を動かす際に、関節内で音がしたり、引っかかりを感じたりする。
□脱臼の頻発 重度の場合は、軽い動作でも肩が脱臼することがある。
□可動域の異常な広さ 肩が通常よりも大きく動く(例:腕を背中に極端に回せるなど)。
軽度の場合は理学療法や筋力強化で改善が見込めますが、重症例では手術が必要な場合もあります。
日常生活やスポーツでの予防策を講じることで、症状の悪化を防ぎ、肩の機能を維持することが可能です。
気になる時は専門家に相談をしましょう。