タナ障害について

スポーツをしていると膝が痛くなることもあります。

ぶつける・捻るなど痛くなる原因が分かっていればケガをしたなと理解できます。

しかし、いつのまにか痛みを感じ出すこともあります。

今回はタナ障害について話を進めていきます。

タナ障害とはタナ(滑膜ひだ)は、膝関節を包む滑膜から伸びる線維性の組織で、胎児期に膝関節の形成過程で生じる隔壁の一部です。

通常、成長とともに消失しますが、日本人の約50~60%に残存するとされています。

この滑膜ひだが、膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨の間で摩擦や挟まりを起こすと、炎症や肥厚が生じます。

タナ障害は榊原の分類で4つに分けられています。

□Type A 膝の内側の滑膜が紐状に盛り上がっている状態です。

□Type B 滑膜の盛り上がりがより著しくなっていきます。ただし、大腿骨の前面を覆うほどは大きくなっておらず、このTypeBとType Aはほとんど症状を引き起こしません。

□Type C 滑膜ひだが棚状に大きくなり、大腿骨内顆の前面を覆うようになった状態です。

□Type D 滑膜ひだの中央に欠損が生じて、遊離した滑膜ひだが症状を起こしやすい状態です。

タナ障害の主な症状

□膝の痛み 膝の内側や前面、特に膝蓋骨周辺に痛みが生じます。階段の昇降、しゃがむ動作、長時間同じ姿勢を続けた後の立ち上がりで悪化します。

□引っかかり感 膝を動かす際に「カクッ」「コリッ」という引っかかり感や違和感があります。

□クリック音やポッピング音 膝の屈伸時に「ポキポキ」「カリカリ」といった音が発生します。これは滑膜ひだが関節内で摩擦を起こすためです。

□腫れや熱感 炎症が強い場合、膝関節周囲が腫れたり、触れると温かく感じる(熱感)ことがあります。

□可動域の制限 膝を完全に曲げたり伸ばしたりすることが難しくなり、正座やしゃがみ込みが困難になる場合があります。

治療は保存療法が基本になります。

□安静とアイシング 炎症を抑えるため、膝を休め、冷却パックで10~15分冷やします(1日2~3回)。

□薬物療法 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、例:イブプロフェン)や湿布で痛みと炎症を軽減します。

□理学療法 大腿四頭筋(特に内側広筋)やハムストリングの強化、股関節や足関節の柔軟性向上を目指すストレッチや運動療法を行います。

□装具療法 膝サポーターやテーピングで関節を安定させ、負担を軽減します。

保存療法で3~6カ月以上改善しない場合や、重度の症例では関節鏡手術が検討されます。

手術では、肥厚した滑膜ひだを切除し、痛みや引っかかり感を解消します。

手術後のリハビリテーションは、通常1~2カ月でスポーツ復帰が可能です。

 

 

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